カテゴリ別アイコンデザインとデジタルアース・マッピングによるイスラミック情報の伝達支援

こんにちは.
ウイグル人留学生のヒルラ・オルカシ(Hililla Orkesh)です.
私は20105月に日本に来ました.日本に来たきっかけは,昔からお話を聞いて来た日本人のことを,より深く知りたかったからです.
私は,ムスリム(イスラム教徒)です.豚肉やアルコールなど宗教上で禁止されたものは食べてはいけません.また,一日に5回礼拝をやらなければなりません.これらのことは,日本人から見ると少し大変かも知れませんが,ムスリムとして当たり前のことです.
例えば,食事のあとの歯磨きのような.
現在,自分は6年以上日本で生活をして,食べられる食物,礼拝できる場所などはある程度わかって来たが,最初の頃,これらのことで結構困っていました.
私以外に,旅行で来日するムスリムや他のムスリム留学生のでも,同じことで困っている人が結構いることがわかってから,日本のイスラムに関する施設の情報を知らない人々のために発信していきたいなと思いました.これはまた,私が大学院で行った本研究のきっかけでもあります.
そこで,私は修士研究として,「カテゴリ別アイコンデザインとデジタルアース・マッピングによる日本におけるイスラミック情報の伝達支援」というテーマで研究を行いました.そのために,日本国内におけるハラルレストラン・ハラルショップ・礼拝所などあまり知られなかった既存の分散的なイスラミック情報の収集,分類,データベース化を行い,これらをデジタルアース上でマッピングしました.さらに,イスラム圏で好まれる色合・絵柄に基づいたユーザインターフェイス(UI)をデザインし,プラグインに依存しない,多様な環境での動作を可能のウェブコンテンツを制作しました.

「マスジドでの検証」と「展示会での検証」を行った結果,デジタルアース・マッピングによる制作された本ウェブコンテンツによって,ユーザの日本におけるイスラミック情報に対する認識度が高くなりました.カテゴリ別にデザインしたアイコンよって,情報をさらに明確に識別するできたことが示されました.ここから,本ウェブコンテンツのデザインは妥当であり,イスラミック情報の伝達を支援することが確かめられました.このことから,本研究の目的が達成されたと考えています.
現在,世界各地で,イスラムにまつわる様々なできごとが起きています.しかし,コーランによると,イスラム教は平和の宗教です.日本の憲法によると,日本も平和の国です.この共通点はとても重要です.この共通点が存在しこそ,日本におけるイスラムは比較的に滑らかな環境の中で存在していると思います.イスラム国家ではないが,ムスリムから見るとイスラミック施設が想像上に存在する日本,また今後も増加すると予想されるムスリムの対応がうまくいくために,色々な面で努力している日本のことを,滞日ムスリムや,訪日ムスリム観光客などに伝えることはとても大切な,そして意味があることだと私は思っています.

本研究によって,日本とイスラム圏の文化交流が少しでも促進できれば大変嬉しいです.