20170207

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ウェアラブルデバイスによる身体動作のリアルタイム・フィードバックシステムの開発 -エンターテインメントと理学療法における応用-




はじめに

どうもこんにちは、修士2年の小宮です!
このブログで書かせていただくのは今回が最初で最後ですが、自身の研究と作品について書かせて頂きたいと思います。


簡単に自己紹介をさせてもらうと、私は学部からこのインダストリアルアートコースで学び、修士もそのまま進学しました。


学部4年次の研究室はインタラクティブアートについての研究を行い、ダンサーが踊りによって音楽を変えられるデバイス(GROOVE)を作っていました。


その後、修士からはこちらのネットワークデザインスタジオに所屬し、Web技術やデザインを中心に学び、4年次に学んだハードウェアの技術と掛け合わせながらプロダクトを作っています。
詳しい自己紹介はこちらもよければ御覧ください


その中で生まれたのがこれから紹介する「PetaPeta」と「smarTcane」です。
どちらもウェアラブルデバイスを中心としたプロダクトであり、特に意識は全くしていなかったものの、気がついたら3年間ハードウェアの技術を使いっぱなしでした笑



それではそれぞれの作品の紹介に移ります。


作品・研究紹介

PetaPeta


サイトはこちら!
PetaPetaは靴の中敷型デバイスとスマートフォンを使って遊ぶ鬼ごっこゲームです。


鬼ごっこというとタッチしたり、されたりを繰り返しながら門限になったら終わり…のような曖昧なゲームだと思います。


そこで1つルールを作りました。
それは


「制限時間内に一番長い距離を逃げた人が勝ち」


つまり、時間が決まっているのでちゃんと終わりが来ます!笑


ただこれだと、足の早い人が有利になってしまい、今までの鬼ごっこ同様足の速いモテる男子が勝ってしまいます。


それではテクノロジーの意味がありません。
そこでインソールデバイスの登場です。
インソールデバイスは走っているのか歩いているのかを計測し、もしプレイヤーが歩いているとプレイヤーの持っているスマホの地図上に自分の足跡がでてしまう
のです。
すると、自分の位置が鬼を含む全プレイヤーにバレてしまうという仕組みです。


一方、鬼でいる間は走っても歩いても一切ポイントが入らず、どんどん他のプレイヤーに差を付けられてしまいます。
なので、地図上の足跡を頼りに他のプレイヤーをいち早く捕まえに行きましょう!


鬼のタッチ自体も直接体を触ってタッチするのではなく、Bluetoothを用いた近距離通信により、3mほど近づくとタッチとなります。
人が多いところでは誰からタッチされたかもわからないかもしれません…
これで知らない人ともPetaPetaを遊ぶことができるのです。
PetaPetaのルール


このPetaPetaを2回ほどイベントで開催し、多くの方に楽しんでいただきました!
地域のイベントなどでの開催も面白いと思っているので、「うちでも開催して!」というお声がけはいつでもお待ちしております!

UIはこんな感じです!

  




②smarTcane


(Rendered by Chihiro Goto)


smarTcaneは理学療法士が患者のリハビリ時の歩行を定量化できるようにするために作った杖です。


そもそも僕がなぜこれを作ろうとしたかの背景として、研究室の別プロジェクトにて、佐賀大学医学部とのプロジェクトの時に、医学の現場のことが知りたく、先生にお願いをして1週間ほど泊まり込みであらゆる医学の現場を見学させていただきました。


その際に、なにかデザインやテクノロジーで解決できることはないかと観察をしていたところ、リハビリの現場にて理学療法士の先生から杖の歩行の際は理学療法士が目視で歩けているかを判断しているという現状を聞くことが出来ました。


これをもう少し深掘りしていくと、目視で判断していることにより、
療法士により判断が変わってしまう
定量的なノウハウが残せない(論文など)
という課題が見えてきました。


この課題に対しての研究はいくつかあるものの、それらは高価な機器を用意しなくてはならなかったり、有線による計測で患者が転ぶリスクがあるものがほとんどでした。


そこで僕は、杖からのみのデータで歩行時の体動が計測できないかを考え、3軸加速度センサとロードセル(体重計についているセンサ)とBluetoothを搭載した「smarTcane」とそのデータをリアルタイムに見ることのできるiOSアプリケーションを作ることにしました。


写真は今回作成したプロトタイプ




理想の歩行というのは立脚期(左足を基準として左足を着いてから離れるまで)と遊脚期(左足を離してから着くまで)の比率が6:4〜5:5のときとされています。



今回の研究では、歩行時に杖から取得したデータを解析し、実際に利用可能かどうかを検証しました。


検証にはグラフのピーク値を検出するアルゴリズムとFFT(高速フーリエ変換)によるパワースペクトラム解析を用いました。


グラフはロードセルと加速度センサの微分値の絶対値の和を横軸を時間として出したもの

結論から言うと、この2つのアルゴリズム両方から2動作歩行時の立脚期と遊脚期の比を求めることができ、FFTによるアルゴリズムを使えば、実際に理学療法士リアルタイムに提示できるようになります。


これにより、無線でかつ定量的に歩行計測ができるスマートな杖がカクヤスでできれば!と思っています

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後輩へ

まず、僕はこの研究室ではかなり自由にやらせていただき、先生の手も一番煩わせた生徒だと思います…
でもそれだけやりたいことができる空間であり、先輩、後輩、同期のよい仲間がいる研究室でもあります。


プロダクトを提案の形までではなく、実装して動くものまで作ることができるのはエンジニアリングのおかげであり、この研究室の特徴でもあります。


そしてチームでプロダクトを作るということは多くの壁にぶち当たり、今までの個人技が通用しないことがたくさんあると思います。


しかし、チームでプロダクトを0から作るというのはかけがえのない経験であり、ものづくりのあらゆる側面を学ぶ機会を与えてくれます。
自分の知らない分野や他の職種についても触れる機会だって生まれます。視野が広がることしかありません。


柄にもなく真面目なこと言ってしまいましたが、これだけはこの6年間で正しかったと言えると思います。




「良いプロダクトは良いチームから。」


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観光地における防災当事者意識向上のためのイベントの実践 -静岡県下田市におけるケーススタディ-

修士2年の井口香穂です。
今回は初投稿ということで、簡単に自己紹介をしながら私の修士研究について紹介させていただきたいと思います!

私は首都大学東京の建築都市コースに4年間通い、学部4年のときには「防災まちづくり」や「震災復興」に取り組む研究室に所属していました。

大学院に進学するにあたって、防災分野の抱える課題に対して自分なりのアプローチで提案やものづくりをしたい!という漠然とした考えをもっていたのですが、ピンとくる進学先がなかなか見つからず悩んでいました。

そんなタイミングで偶然ネットワークデザインスタジオに出会い、ここだ!とほとんど直感で進学を決断しました。(30分くらい悩みました)

それから2年間この研究室に在籍し、防災分野の課題へのアプローチ手法として選んだのが、「防災イベント」です。


地域の防災活動は一般的にかたく、つまらないイメージがあったり、防災意識の高い人や行政中心に行われたりしていて、防災にあまり関心がない人や、参加経験がない人にとって参加のハードルが高いのが現状です。

そこで、私は「楽しく気軽に参加できる」防災イベントに着目し、防災イベント「遊ぼう祭2016」の実践と検証を通して、地域の防災活動や災害に関心を持つきっかけの場となる手法の検討を行いました。

▼「遊ぼう祭2016」WEBサイト
http://asobousai.info

「遊ぼう祭2016」の実践を行った地域は、静岡県下田市です。
下田市は、伊豆半島南部にある海水浴や温泉といった観光資源の豊富な観光地です。それと同時に、南海トラフ地震による津波被害など大きな災害が想定されている地域でもあります。一方で、地域の防災活動への参加率は低く、現状を課題に感じていた地域住民の方々とイベントを企画することになりました。

イベントの準備は2015年の冬から始まり、イベントのコンセプトや開催するプログラムの検討、予算の確保や地域内外への宣伝などほとんどの仕事を担当しました。特に、協賛や後援の協力をお願いするために地元企業や行政をまわったり、宣伝をするためにネット番組に出演したり、研究という枠を超えて「イベント運営者」として活動することが多く、とても大変でしたが、楽しい経験でした。

イベント当日は下田市内外から参加者やスタッフが集まり、無事イベントを成功させることができました。終了後のアンケートでは、「また参加したい」といった意見をいただくことができ、継続的な地域の防災活動に繋がる場として、効果を出すことができたのではないかと考えています。



この「遊ぼう祭」というイベントは、下田市の方々はもちろん、東京の大学やNPO法人などたくさんのスタッフの力によって開催することができました。関わった全ての方々に深く感謝いたします!今後は、より地域の根差した活動になるよう、運営方法などを検討していく予定です。



私はほとんど直感でネットワークデザインスタジオに飛び込んでしまったのですが、ネットワークデザインスタジオで過ごした2年間は、これからの人生にも大きく関わってくるくらいの大切な時間になりました。研究室のメンバーとたくさんのプロジェクトに関わるなかで、いろいろなアイデア、知識、技術をもった人たちと時間をかけてものを作っていくことが本当に楽しくて、あっという間でした。同時に、同期に「6年くらい一緒にいる気がする」と言われるくらい、濃い2年間でもありました(笑)

ネットワークデザインスタジオのいいところは、みんながそれぞれ違う関心や技術をもっていて、ゼミやプロジェクトを通してそれを共有できるところだと思います。「遊ぼう祭」も、チラシ・WEBサイトのデザインや防災プログラムの開発、当日の運営などで、同期や先輩、後輩に力を借りました。私1人では実現できなかったことがたくさんあります。

これからネットワークデザインスタジオで作品を作っていく人たちも、自分の考えややりたいことをどんどん発信していってほしいなと思います。他の人の発想や技術が作品をもっと良くしてくれることもきっとありますし、また新しい作品が生まれたりするかもしれません。ぜひ、ワクワクする素敵な作品をたくさんつくっていってほしいです!

最後になりましたが、2年間本当にお世話になりました。インダスにきて、ネットワークデザインスタジオにきて、本当に良かったと思っています!これからもネットワークデザインスタジオのみなさんのご活躍をお祈りしています!
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Factors that cause users’ confusion in motion design

Hi,I’m Jin,a second year Master student.
Today I am very glad to introduce my study to you.
My study is about “Factors that cause users’ confusion in motion design”(モーションデザインにおいてユーザの混乱感を生じる要因についての研究),and the purpose of my study is to clarify the confusing factors for users while watching motion elements.
You can see some demos of my experiments from http://demo.cupsue.com/
I‘d like to start from the background.
Motion design was applied  in games and movies initially, but now it is also employed in applications and Websites, according to the guidelines created by Apple and Google.
However, with a relatively short development history of motion design in applications and Websites, the usability of motion design has been verified individually without a uniform theory yet.Therefore, while motion design improves usability, it also confuses users potentially .
Although in the Internet, user experience research has been developed very well, but with the popularity of motion design, making the user experience, which focused on static elements and interface, has a new challenge.
Using motion design to improve user experience,UI/UX designers are holding a positive attitude.They share their opinions of motion design on the internet, based on their own work experience, try to make motion design more predictable and rule-based.
The current motion UI, including motion systems, are attempting to explain the effects of motion design from a variety of perspectives in order to make motion design more efficient in user experience.
Studies tend to focus on a summary of motion’s advantages rather than the reasons for the failure. Furthermore, most of the related work is based on experience.
That's why I want to start this study.
Before the formal experiment, I conducted a simple paper-based survey for 30 people in response to the question of ”Have you ever felt confused when you were browsing webpages or applications with motion design?” and  "what’s the reason do you think caused your confusion?”
Based on result,there were 28 of them said “yes” for confusing experience and the top 3 choice of reasons were “too many directions”,”too many quantity” and “too fast”.Shown as Table 1.
Table 3-1:What do people think make them confused in motion design
options
choose number
Too many directions
28
Too many elements
20
Too high speed
19
Too much colour
13
Contrary to normal operating habits
11
Too many patterns
10
Path crossed
8
Others
3
None
2


Next,I did a series of experiments to verify whether these factors could really cause users’ confusion.
I designed three experiments,the variables of each round experiment were:
speed(Experiment 1- whether speed can cause users’ confusion),
quantity(Experiment 2- whether motion elements “Quantity” can influence users’ confusion),
the number of motion directions & motion elements quantity(Experiment 3- what “Quantity” influence users’ confusion).
The experiment was carried out according to the following procedure:
Step1,I put the pages on iphone and PC platform respectively, let users browse the web. After visiting a webpage, they would answer how many directions they thought, and grade the webpage from 1 to 7, according to their own confusion and speed sense.After testing all the pages on one platform, I would change to another platform and let them do the same test again.Questionnaire was shown as following:
1.How many directions do you think in the test page you saw?
2.How did you feel when you saw the movement?
3.How about the speed of the movement?


In the confusion survey , score 1 represents "very clear", confusion increases along with
score,and 7 represents "very confused".
In the speed survey , score 1 represents "too slow", the increase of score means users feel faster,and 7 represents "too fast".
Step2, fill out simple personal information questions, including age, gender and occupation.
I used the average of uses’ answer about direction,confusion and speed as analysis data.
I took direction answer as objective data,confusion answer as subjective data.I judged whether motion caused users’ confusion from both objective and subjective. If the difference between the direction quantity that users’ answered and standard answer is large,it means user was confused.In addition, the users’ confusion score is also referred to. The larger value, the more confused.

Based on the results, it can be said:
  • When in multi-direction, after increasing speed, user’s confusion will be stronger.
  • With the increase of motion quantity,the confusion sense is also stronger.
  • User senses the speed of elements being faster, this trend is not very obvious.
  • Within 3 directions, element quantity influences users’ confusion in multi-direction.
  • Since 4 directions, element quantity influences in users’ confusion is weakened, and direction quantity influence comes in sight.
  • When quantity is over 5,direction quantity influences users’ confusion.
  • Over 5 directions, user will feel confused obviously when over 5 directions, user’s speed sense may be related to device.
  • Within 5 directions, whether element quantity or direction quantity, has little effect on users’ speed sense.


Therefore, I suggest that if there are multi-direction motion elements in the multi-platform web design, the number of motion elements should be controlled within 5 so as to maintain a clear understanding to users. If the number is too large, the direction number of movements needs to be reduced for diminishing users’ confusion.
The shortcomings of this study is that  this study focuses only on a part of basic motion rather than a variety of motion patterns and combinations.However, as “direction” is one of the most basic part in motion design,the results of this study can still be applied to most motion design patterns which are with direction moving properties.
Meanwhile,the results and conclusions of this study can still provide a reliable reference for motion guidelines in the future, making a contribution to the establishment and development of  theories on user interface motion design.

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周囲の人々の属性に応じた画面制御システムの制作

 こんにちは、学部四年生の中原です。自分は卒業研究で「周囲の人々の属性に応じた画面制御システム」を製作しました。



 近年街頭でよく見かけるようになったデジタルサイネージ(液晶広告)は、静的広告に対し動的な表現が可能である分、設置費用が高いため限られた枠の大きさで効率良く通行人の注意をひく必要があります。また街頭広告の宣伝効果は、市場自体の伸びは確認できますが、実地での宣伝効果はデータ化されてきていません。それらの問題の解決方法のひとつとして、広告の周囲にいる人々の属性データの取得が挙げられます。本研究ではそれらの機能を実現しうるシステムとして、Beacon を用いた周囲の人々の属性検出を行い、さらにそれら取得した属性情報を用いることでインタラクティブな画面制御が行えると考えました。

 仕組みとしては、ユーザーが自分の携帯端末にBeacon発信機能の対応アプリを入れておき、そこに自分の属性情報を設定しておきます。サイネージ側で、近くにいるBeaconの信号を受け取り、そこに設定されている情報を読み取り、画面に反映させます。Beacon技術を利用することで、情報の送受信のシステムが単純化され、特にインターネットに繋がずともシステムを利用することが可能になったり、既存のアプリに発信機能の追加が容易になるのではないかと考えました。

 また、これらのシステムを完成させたのち、具体的なシステムの用法として「産業連携センターPlanT」のフロアマップの製作を行いました。

これは設置されているフロアマップの画面に近づいた人が「どこの国の人か」に応じてマップの説明の言語を切り替える、というものです。他にも文字が小さいと読みにくいという設定をしている携帯端末に対しては文字を大きく表示したりなど、ユニバーサルデザインへの応用を行いました。

このように、どういった属性情報を何のサイネージに反映させるか、で様々な応用が可能なシステムを製作できたのではないかと思います。
 今後の展望としては、現在日野市役所の方々と「PlanT」での実運用実験に向けミーティングを重ねています。今年の6月を目処に「特定の施設での応用方法」について今後も研究を重ねていき、ゆくゆくは街頭での実運用まで持っていきたいと考えています。自分は4月から首都大の大学院に進学しネットワークデザインスタジオにあと2年在籍する予定ですので、様々なプロジェクトを通じどんどん吸収していきたいと思います。


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これから渡邊研に入ってくる後輩へ

渡邊研では目的・手法・検証・結論のロジックのもと考え方をまとめて、「なぜそれを作ったのか」、「その研究で何が分かったのか」を突き詰めることができます。一年間、ゼミで受けたフィードバックについて考え抜くことで、それらを考える力を身につけることができます。

ただ、一つ気をつけてほしいことがあります。
考えている途中で「まだ作るものが完全に決まってない」からと言って考えるだけで立ち止まってしまわないようにしてください。(自分は完全にこれでした)

とにかく考えながら何かしら製作しましょう。具体的なものがあればはっきりとしたフィードバックがもらえるので、なかなか決まり切らないアイデアなども前進することができると思います。(当たり前のことを言ってるように見えますが、気づいてないうちに意外と泥沼にはまってたりします。本当に)

自分は来年から二年間在籍予定なので、一緒にいろんなものを作りましょう!










20170206

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紙媒体情報のカテゴライズと再構成によるリデザイン



お久しぶりです!学部4年の秦です。
私は「紙媒体情報のカテゴライズと再構成によるリデザイン」をテーマに設定して卒業制作を行いました。

紙媒体に掲載されている情報を伝えやすくすることを目的として、もとの紙媒体の作成者である情報の発信者と密なやり取りをしながらリデザインをするリーンスタートアップ手法を用いて、情報をより伝えやすくするリデザインを目指しました。また同じ目的の元、2つの制作を行っています。


1つ目は、昨年度受講した渡邉先生の授業がきっかけで始まった『日野市地域活動子どもカレンダー』のリデザインです。
以前から週報でも取り上げていましたが、日野市の担当者の方と何度もやり取りを行い、紙媒体の内容と作成者の方の意図を損なわないように制作を進めました。
『日野市地域活動子どもカレンダー』は市内の公共施設で開催されている子育て関連のイベントが日程順に1ヶ月分全て掲載されてるため、日程以外の基準でイベントを探すのに手間がかかるデメリットがあります。
検索方法が選べる方法を可能にするために制作したのが、Webアプリ『子育てイベントカレンダー ぽかぽか 日野市版』です。数あるイベント情報を日程・イベント内容・開催エリアの3方法から検索でき、また検索したイベント情報を地図上に表示して、現在地との距離で参加機会が増えることを予想しています。


テーマカラーには、子どもの元気な姿を想起させ両親共に使用しても抵抗のないアプリになるよう、明るいグリーンを選びました。ユーザが自分に合った条件ですぐに検索できるよう、選択内容に沿ったイラストのアイコンも作成しました。



もう1つはヒロシマ・アーカイブARアプリ『HiroshimARchive』との併用を想定した平和学習用ワークブックです。研究室プロジェクトとして取り組まれている『ヒロシマ・アーカイブ』の制作ですが、同じ制作メンバーとして参加している広島女学院高校の有志の生徒が作成しているワークブックをリデザインしました。
このワークブックは広島をおとずれる修学旅行生に向けて作成・編集が行われていましたが、生徒たちの思いや考えの全てがワークブックに反映できていない現状がありました。
実際に私が広島に出向き、また生徒たちの放課後の時間にSkypeでやり取りをしながら、理想の平和学習のあり方や学習の流れについてヒアリングを行い、プロトタイプを作成することを繰り返してリデザインを行っています。


ワークブックそのものの内容に大きな変更は加えず、要望のあった必要な項目を
①学習の中核となるフィールドワークの準備として必要な学習
②フィールドワークに関連して必要になる情報
③フィールドワークを終えた後の振り返り
の3点に分類し再構成しました。また中学生・高校生が普段使い慣れている一般的なテキストと似た体裁のレイアウトにすることで、書き込みスペースを確保しつつ、暗いイメージがある平和学習に抵抗なく取り組んでもらえることを想定しています。


子育てイベントカレンダーWebアプリ・平和学習用ワークブックの両方共、元の紙媒体の作成者の方から好評を得ることができ、今後の実用も決まっています。
どちらの制作も続けてく予定なので、ユーザのフィードバックを元にさらにニーズにあったリデザインを施したいと思っています。




これからネットワークデザインスタジオに入ってくるみなさんへ

漠然と“何かを作りたい”と考えて入ったスタジオですが、その漠然とした考えを紐解いていく過程と結果がいかに大切なのかを学ぶことができました。
時に紐解くこともできない程の直感で作ってしまうこともありまが、直感にたどり着く少し手前までを順序立てて説明することができて、人に伝わった時はとても嬉しかったです。
人に自分の考えを話す恥ずかしさは未だに拭いきれませんが、それでも先生やそれぞれ得意分野の違う先輩方・同期がいつでも相談にのってくださるので、1年通して自分の考えに向き合えたのだと思います。

私は来年度以降も大学院生として残りますので、仲良くしてください!よろしくお願いします!



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位置情報履歴を用いた生活圏に基づくWebサービスのパーソナライズ

お久しぶりです、修士2年の佐野大河です。今回は自身の修士研究について紹介したいと思います。

自分は二つのスマートフォンアプリを制作しました。



 

My防災ノートは、ユーザーの生活圏に合わせて防災情報を提示するハザードマップアプリです。
位置情報履歴から自動で割り出したユーザーの生活地域を表示した後、各地域の避難施設や被害範囲・程度を図示した画面へ遷移します。


Ékocca [イコッカ]


Ékocca [イコッカ]は、グルメやイベント・観光などのお出かけ情報をまとめたキュレーションアプリです。
最新の記事の中から、ユーザの良く行く場所や生活地域に基づいておすすめの記事を厳選表示します。


ハザードマップアプリとキュレーションアプリとでテーマは全く違いますが、裏側のシステムは同じものを使っています。定期的に取得した位置情報履歴をもとに、高頻度で訪れる地域をユーザの"生活圏"として検出し、そのデータをもとにユーザに合わせたコンテンツを提供するというものです。
※位置情報の保存・処理は全て端末内で行われ、個人情報の漏洩のリスクは低減されます

こういった、ユーザ全員に同じコンテンツを提示するのではなく、一人一人の属性に合わせて最適化されたものを提供する手法を"パーソナライズ"と言います。代表的なものだとAmazonのレコメンド機能などがそれにあたります。自分は、ユーザの過去の位置情報を使ってパーソナライズすることはできないかと考え、アプリを制作し検証を行いました。

それぞれAppStoreで配信し、実際に多くの人に使って頂きました。またMy 防災ノートは鎌倉市で行われた防災アプリの実証実験でも使用されました。

アプリ内に設置したアンケートの結果、My 防災ノートではハザードマップの情報の見やすさ及びユーザビリティを向上させ、Ékoccaでは日常生活で利用しやすいスポット情報をユーザに提供し、パーソナライズの事例が見られる分野で新たな手法を創出できたことを確認しました。
これにより、今後も社会に浸透していくことが予想される携帯端末を用いて、膨大な情報を扱うWebサービスのユーザ体験を向上させるための一つのモデルを示すことができたと考えます。

以上が研究の概要です。

作ったアプリについては今後も改良を続けるつもりなのでぜひ使ってみてください。
アプリへの感想や意見もお持ちしております!

My 防災ノート:https://appsto.re/jp/eQ1Hdb.i
Ékocca [イコッカ]:https://appsto.re/jp/tjnxgb.i





最後に、ネットワークデザインスタジオでは3年間色々なことを、本当に色々なことをやらせて頂きました。ありがとうございます。

自分は特にプロジェクトや自主制作、その他諸々を通してのものづくり・サービスづくりをたくさんやってきました。来年度の学生でも何かつくりたいなと思ってる人は、とにかくそれを早く形にしてみることをおすすめします。
もちろん渡邉研が重視している"目的"や"なぜやるのか"は一つ持った上で、理想とはかけ離れた形でもいいのでとりあえず一つ作り上げてみてください。具体的なものを出せば具体的なフィードバックが必ず返ってきて、入念に構想立ててから作るよりも最終的に良いものが作れたりします。(自分も二つ目のアプリはさっさと作ればよっかたな〜と少し後悔してます。。)
何より1~2年はほんとあっという間で
気づいたら「え、もう卒業!?」てなるので _:(´ཀ`」 ∠):_


色々楽しみながら頑張ってください!
3年間ありがとうございました、今後とも宜しくお願いします!



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過疎集落における「対話と交流の“場”」の形成手法 -新潟県魚沼市横根集落における実践-


2年ぶりの投稿でドキドキしてます。
修士2年の木村汐里です。

さて、今日は私が2年間(3年間)やってきた研究について簡単に紹介したいなと思います。

私は、大学4年のときに出会った新潟県魚沼市にある過疎地域「横根」を対象地域として修士研究を行ってきました。

「こんなとこなにもない町なのになにするの?」と地域のみなさんに口をそろえて言われた3年前。そう言いながらも、なんどもなんども地域を訪れ、話をする中で、住民の方達の地域への愛を感じるようになりました。人口の減少や世代のかたよりによって、交流が減っている中で改めて地域住民同士がお互いの地域への思いや将来への希望を共有できる”場”をつくれないかと始めたのがこの研究です。





3年前、同じく横根でおこなっていた菊本さんの研究であるWEBコンテンツ制作ワークショップを考察し、その課題や成功例をもとに、過疎集落における地域活性化のための”場”を開催するためのメソッドとして、『起こりうる課題・それが起こりうる状況、そのための解決手法』を言語化してパターンにまとめ、それを使い、場を改めて実践・検討しました。


これらの活動を経て若い世代が地域行事の準備を手伝ったり、15年ぶりに夏祭りでこども神輿が復活したり....。地域の未来に対して課題意識をもって行動しようとする人が現れたり....と徐々に地域も変化してきました。地域が生き生きとした瞬間を何度も見ることができました。日本中にひろがる様々な過疎地域の活性化に少しでも役立てばいいなと思っています。








さて、私が渡邉研に入って一番良かったなと思うのは、『作る』を超える経験がたくさんできたことです。論理的にコンテンツを説明したり、表現する方法をたくさん教えてもらえたのはもちろんですが、いろんな場所に連れて行ってもらって、コンテンツがつなげる様々なモノ・ヒト・コトをたくさん感じることができました。デザインやコーディングの技術だけでなくそれがもたらしてひろがるつながりがすごく刺激的な3年間でした。

特に、研究としてはいった横根地区には、今後のずっと関わっていきたいなと思える『第二のふるさと』と呼べるような関係を築く事ができました。長期で一人で滞在しに行った時には、子供達が遊びに来てくれたり、夕ご飯に誘ってもらったり、お風呂を貸してもらったり・・。かけがえのない経験です。

同期をはじめとした刺激的な先輩や後輩にたくさん出会えたのも良かったと思えることです。面白いこと見つけては、チームを組んでいろんなものに挑戦できたのもいい思い出だなあ〜


バイトや就活・サークルやいろんな事がある学生生活ですが、研究室での生活も意外と青春なので(笑)、積極的に研究室プロジェクトに参加するのがオススメです!

3年間、お世話になりました!
今後とも宜しくお願いします

木村汐里

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地域イメージを見出すための時空間ベースの音楽再生アプリ

こんにちは。学部4年の山浦徹也です。
自分は卒業制作として"ekicompo"というアプリケーションを作成しました。




これは聴いている音楽にひと言を添えて鉄道駅に置いて共有するiPohneアプリです。
自分には「生活圏や通勤、通学の通過駅の景観や地域そのものはあまり意識されていないのでは?」という疑問がありました。
昨年9月に参加した福知山市での地域理解ワークショップにて現地高校生から「学校の周りや通学路などの地域は眺めているけど、意識していない」という答えもあって、自分が抱いたこの疑問をテーマに研究を行いました。


地域を見てもらうために、何を利用するか考え、最終的に音楽を利用することに決めました。音楽は聴覚メディアであるので、視界を邪魔せずに触れてもらえます。
また、ご当地ソングのようにしばしば音楽は意識の上で場所や季節に紐づけられますが、情報メディアとしての音楽に時空間情報はありません。つまり音楽は時空間情報を付与することで実空間に紐づけ、非同期的に共有することが可能です。
この紐づけによって、場所を介し、時間を越えて自分以外の立場から地域を理解したり、場所に即した新しい音楽の鑑賞法が生まれると考えています。

投稿された音楽データを駅に紐づけたのは、駅が人の流れの起点であることと街の中心に据えられているからです。




2017年の春にはリリース予定です。ご期待ください。
今後は駅や音楽の検索機能や、連続再生の自動化などの機能を実装していきたいと思っています。




ネットワークデザインスタジオに入ってくるみなさんへ

卒業制作は"ただ作りたいから作った"で済むものではなく、"なぜそのテーマで作ったのか"、"その結果何が発見できたか"が重要となります。
常に自分が目指す結果と過程について考えて製作しなければなりません。
一年間研究を続けるのにロジカルに考える力は必ず必要です。
そして、この研究室ではそれを養うことができます。

プログラミングなどの技術的なこと以外でも学ぶことがたくさんあると思います。
先生、先輩にどんどん聞いていくといいでしょう。

僕は来年度も修士として在籍予定なので、よろしくお願いしますね!
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バレーボールの練習改善のためのプレー記録の視覚化


こんにちは、学部4年の佐野千秋です。
私は卒業研究で「バレーボールの練習改善のためのプレー記録の視覚化」を行いました。



自身が高校生の頃、プレーのデータをとって選手で共有していたものの、見にくさや情報の少なさからあまりデータを重要だと思う場面がありませんでした。
せっかくデータを利用してるのならばより良いデータ利用方法があるのではないかと思いこの研究をはじめました。
実際に母校である神奈川県立厚木高校のバレーボール部に制作物を使ってもらったり、アンケートをとったりしながら、選手が感じている問題を元にデータ利用の改善を行いました。

主に行った改善は以下3点です。

1つ目はデータ収集内容の改善です。
今までは4つのプレー要素(※1)についてレシーブの精度(※2)のみを記入していましたが、スパイク、サーブはコースの記入欄を新たに加えました。
選手が求める情報を元に収集内容を改善を行い、情報量の充実を図りました。
この改善によって、どのようなコースが効果的なのかが分かるようになります。


※1 バレーボールは大きく分けてスパイク、サーブ、サーブレシーブ、スパイクレシーブの4つのプレー要素があります。
※2 バレーボールではレシーブの精度(=セッターの取りやすいボールかどうか)をA-Eの5段階に分けて表現することがよくあります。

2つ目はデータ入力方法の改善です。私の母校はデータを紙媒体に記録した後、Excelに入力し、印刷したものを選手内で共有していましたが、ある程度時間がかかるため練習試合があるたびに入力するのではなく何日か分をまとめて入力している場面が見受けられました。少しでも入力の煩わしさを軽減するため今までベタ打ちだったものを、Excelのマクロを使うことでクリック入力や、選択式で入力を行えるようにしました。



3つ目は視覚化方法の改善です。
改善の流れとしては、実際に母校の試合のデータを視覚化し、試合後のミーティングで使ってもらいアンケートをとります。その結果を視覚化方法の改善に活かすことで、より選手が見やすい、求めるものに近づけていきました。
視覚化改善は計3回行いました。左が1番最初となっています。
効果的な攻撃が出来ている割合を色、打数を円の大きさで表現するなど選手が直感的に度のコースが効果的なのかが分かるような視覚化方法を用いました。
またアンケートから選手によって見やすいグラフ(円グラフor棒グラフなど)が異なることが分かったため、大きい要素を円グラフさらに分けた要素を棒グラフで表現することで誰にとっても見やすいグラフになるように工夫しました。


また個人ごとのグラフも作成することでより細かい分析や比較が行えるようにしました。


このような3つの改善を行い最後に選手にアンケートを行いました。
「今までおざなりにしていたが読み込むようになった」「データからもっと知りたいと思うようになった」などとデータを重要視するようになったり、
「やりたい練習メニューが多く出るようになった」「練習でコースを決めて狙うようになった」などと練習改善につながっていることがわかりました。

卒業研究としてはここまでとなりますが、実際に部活に使ってもらっているため。これからも出来る限りで改善を続けていけたらと思っています。

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これからネットワーク研究室に入ってくるみなさんへ

私は1年間で"ただ作りたいものを作る"のではなく、どのような目的があって、どのような結果につなげたいかを常に考えながら制作を行うことの重要性を学びました。
自分が求めていたものを制作出来たのは勿論ですが、それにたどり着くまでの考え方、上手くいかなかった時の対応、目的に沿っていれるかの確認など今回の制作だけに関わらず、これからに活きることをたくさん学べたと感じています。

また自分が思っていることを周りに伝えることの難しさ、重要性を改めて感じました。
この研究室はたくさんのことを教えてくれる先生だけでなく、相談にのってくれる先輩や同期(読んでいる人にとっては先輩ですが)がたくさん居ますので、積極的に自分が思っていることを発信することをおすすめします。

私は卒業後は就職する予定なのでみなさんと接する機会はありませんが応援しています!




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カテゴリ別アイコンデザインとデジタルアース・マッピングによるイスラミック情報の伝達支援

こんにちは.
ウイグル人留学生のヒルラ・オルカシ(Hililla Orkesh)です.
私は20105月に日本に来ました.日本に来たきっかけは,昔からお話を聞いて来た日本人のことを,より深く知りたかったからです.
私は,ムスリム(イスラム教徒)です.豚肉やアルコールなど宗教上で禁止されたものは食べてはいけません.また,一日に5回礼拝をやらなければなりません.これらのことは,日本人から見ると少し大変かも知れませんが,ムスリムとして当たり前のことです.
例えば,食事のあとの歯磨きのような.
現在,自分は6年以上日本で生活をして,食べられる食物,礼拝できる場所などはある程度わかって来たが,最初の頃,これらのことで結構困っていました.
私以外に,旅行で来日するムスリムや他のムスリム留学生のでも,同じことで困っている人が結構いることがわかってから,日本のイスラムに関する施設の情報を知らない人々のために発信していきたいなと思いました.これはまた,私が大学院で行った本研究のきっかけでもあります.
そこで,私は修士研究として,「カテゴリ別アイコンデザインとデジタルアース・マッピングによる日本におけるイスラミック情報の伝達支援」というテーマで研究を行いました.そのために,日本国内におけるハラルレストラン・ハラルショップ・礼拝所などあまり知られなかった既存の分散的なイスラミック情報の収集,分類,データベース化を行い,これらをデジタルアース上でマッピングしました.さらに,イスラム圏で好まれる色合・絵柄に基づいたユーザインターフェイス(UI)をデザインし,プラグインに依存しない,多様な環境での動作を可能のウェブコンテンツを制作しました.

「マスジドでの検証」と「展示会での検証」を行った結果,デジタルアース・マッピングによる制作された本ウェブコンテンツによって,ユーザの日本におけるイスラミック情報に対する認識度が高くなりました.カテゴリ別にデザインしたアイコンよって,情報をさらに明確に識別するできたことが示されました.ここから,本ウェブコンテンツのデザインは妥当であり,イスラミック情報の伝達を支援することが確かめられました.このことから,本研究の目的が達成されたと考えています.
現在,世界各地で,イスラムにまつわる様々なできごとが起きています.しかし,コーランによると,イスラム教は平和の宗教です.日本の憲法によると,日本も平和の国です.この共通点はとても重要です.この共通点が存在しこそ,日本におけるイスラムは比較的に滑らかな環境の中で存在していると思います.イスラム国家ではないが,ムスリムから見るとイスラミック施設が想像上に存在する日本,また今後も増加すると予想されるムスリムの対応がうまくいくために,色々な面で努力している日本のことを,滞日ムスリムや,訪日ムスリム観光客などに伝えることはとても大切な,そして意味があることだと私は思っています.

本研究によって,日本とイスラム圏の文化交流が少しでも促進できれば大変嬉しいです.