長崎×広島の高校生による「平和」をテーマとした合同探究学習(渡邉研究室訪問レポート)

 【WWL東京大学渡邉研究室フィールドワーク】

こんにちは。博士課程2年の片山です。
先日、合同で「平和」に関連するテーマに探究学習を進められている、長崎県立長崎東高校5名、広島市立舟入高校3名が渡邉研を来訪してくださいました。

1日目は
  • 渡邉先生からのレクチャー
  • 探究経過の発表と議論(模擬ゼミ)
を行いました。

渡邉先生からのレクチャーの様子


長崎東高校、舟入高校は現在合同で「Peace Team」というチームを組み、平和系の探究活動を行っておられます。今回の研修では、下記のようなテーマの探究の発表を伺いました。

[生徒さんたちの探究テーマ]
●「平和の意義」を探究する~平和目標PPPsの策定~
●新しい平和教育の在り方
●新しい平和の伝え方Ⅰ(デジタルの活用)
●新しい平和の伝え方Ⅱ(資料館にディスカッションスペースを設置)
●新しい「平和の絵本」の作成

それぞれ資料に経過をまとめていただき、どこで詰まっているのか、どのような問い、手法を用いると目的に近づくのか、など活発な議論が行われました。
また、高校生でも使えるようなオープンソース、フリーのテクノロジなどについても活発に情報交換がなされました。

2日目は、
  • Kevin YangさんによるSFプロトタイピングのワークショップ
  • 小松尚平さんによる戦災VRの体験
を行いました。


SFプロトタイピングは、サイエンスフィクション(SF)を通じて未来を想像し、製品や事業開発、組織改革に生かす手法です。この手法の特徴は、未来の出来事を先に想定し、そこから逆算して現在のアクションを導き出す「バックキャスティング」的な考え方です。エビデンスにとらわれず、ユートピアやディストピアも含めた自由な発想が求められます。


テーマは「2075年の“平和”について」。75年に争いの要因になっていることは何だろうか?ということをAIの力を借りてブレインストーミングをして、逆説的に「平和」とは何なのかという点について考えを深めました。


2グループに分かれて下記のようなキーワードをもとにAIにSFの世界を出してもらいました。

グループ1:暗記パンのようなものができて、学習しなくなって、人の気持ちがわからなくなる、知識があるが心がない、善悪の判断がつかなくなって犯罪が起きる

グループ2:ハッキングで相手国のシステムを壊して、情報戦が起きる、なりすました犯罪、歴史上の戦争がうまかった偉人を呼び出して、代理戦争


広島、長崎の文脈から語られる「平和」ではない部分について、考えを深めました。


戦災VR体験の様子


2日間のワークショップで、探究学習における問いの設定や検証の範囲について何らかのヒントとなる学びがあれば幸いです。


ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!