岩手県大槌周辺で発生している山林火災について、衛星観測データや風向・風速データを3D地形上に重ねて確認できるインタラクティブマップを公開しました。
このマップは被害状況や延焼範囲を推定するものではありません。表示しているのは、公開データとして取得できる観測値を整理し、時間・場所・地形との関係を見やすくしたものです。
使っているデータ
中心となるデータは、NASA FIRMS の衛星観測による熱源データです。LANDSAT、MODIS、VIIRS の各データ種を取得し、観測時刻ごとにローカル保存したうえで、Cesium の3D地形上に表示しています。
各熱源点には、観測時刻、データソース、緯度・経度、FRP、信頼度などの属性があります。FRP は Fire Radiative Power の略で、衛星が観測した熱放射の強さを示す指標です。ただし、これらは衛星観測にもとづく熱異常の点であり、火災の境界線や焼失範囲を直接示すものではありません。
あわせて、Open-Meteo の JMA MSM モデルによる10m高度の風向・風速データも重ねられるようにしています。右上の操作パネルのボタンで表示を切り換えられます。
風は対象範囲を格子状に分け、矢印の向きと色で表示しています。これにより、熱源点が観測された時刻の前後で、周辺の風の場を同じ画面上で確認できます。
風向きと風速を表示
背景地図として、衛星画像に加えて、必要に応じて OpenStreetMap を重ねられます。道路や地名などの文脈を加えることで、熱源点の位置を把握しやすくしています。こちらも右上の操作パネルから切り換え可能です。
地図を表示
可視化できること
このマップでは、熱源点を時系列で表示できます。タイムスライダーの左右のつまみを動かすことで、表示する期間を絞り込み、どの時間帯にどの地点で熱源が観測されたかを確認できます。
岩手県大槌の山林火災は,依然として延焼が続いています。
— 渡邉英徳 wtnv (@hwtnv) April 25, 2026
発災から時系列を追うと,夜間に拡大してきたことが分かります。
きょう未明には南北に長い「炎の前線」的な熱源が生じ,西に進行しているようです。 pic.twitter.com/Q7XctD3qNt
表示期間内では、新しい観測点ほど赤に近い色で、やや大きく表示されます。これにより、熱源点の時間的な分布を地形の上で追いやすくしています。
また、データソースごとの絞り込み、FRP の下限値、信頼度によるフィルタも用意しています。左上の歯車ボタンから表示できます。すべてのデータを重ねて見るだけでなく、特定の衛星・センサー由来のデータだけを確認することもできます。
風向・風速レイヤーを表示すると、熱源点と風の向きを同じ3D空間上で見比べられます。これは延焼を予測するものではありませんが、観測された熱源分布と、その時刻周辺の風の状況を読み取るための補助情報になります。
読み取り時の注意
このコンテンツは、公開データを組み合わせて状況を把握しやすくするための可視化です。衛星の観測には時刻差や雲・煙などの影響があり、熱源点が表示されない場所に火がないことを意味するものではありません。また、風向・風速は気象モデルにもとづく値であり、現地の局所的な風をそのまま表すものではありません。
そのため、このマップは公式な避難情報、消防・自治体の発表、現地の安全確認に代わるものではありません。あくまで、公開データを時間・地形・風の文脈とともに見るための補助的な資料としてご覧ください。


