東京大学基金「戦災・災害のデジタルアーカイブ基金」設置のお知らせ

テクノロジー×若い世代の力で「災いの記憶」を未来へ

東京大学大学院 渡邉英徳研究室は,2023年3月,東京大学基金「戦災・災害のデジタルアーカイブ基金」を設置しました。

ご支援のお願い

ロシアによるウクライナ侵攻,毎年のように起きる激甚災害など,現代は「災い」の多発する時代です。しかしながら「災いの記憶」は,時間の経過とともに上書きされ,忘却されていきます。

「災いの記憶」と,その経験を次世代に活かすためには,被災者の記憶を社会全体で共有し,引き継いでいく必要があります。しかし,そうした個人の貴重な記憶は,老い・死によっていずれ失われていきます。

「個人の記憶」を共有し,「社会全体の記憶」として残していくために,これまでの災害,そして来たるべき災害の記憶を保存・記録していく仕組みづくりが求められています。「デジタルアーカイブ」は,こうした記憶を保存・共有し,未来に継承する基盤として重要なものです。

渡邉英徳研究室では,広島・長崎原爆,あるいはウクライナ戦争,東日本大震災などをテーマとした「デジタルアーカイブズ・シリーズ」を2010年代から開発・運用してきました。しかし,こうしたアーカイブは,主に年限付きの研究費で開発・運用されており,持続性に不安があります。また,バーチャルリアリティ・人工知能などの先端技術を取り入れ,より使いやすいアーカイブ・システムを開発し,多くの人々の協力のもと成長させていくためには,財源となる寄付金が必要です。

本寄付金によって「デジタルアーカイブ」を構築し,「災いの記憶」を世界に発信することにより,「過去から学び・未来に活かす」モティベーションを社会に作り出します。そして,学生をはじめとした若い世代の参画により,持続可能性の高い活動を実現します。

戦災・災害に立ち向かう,平和で力強い世界の実現に向けて,一人でも多くの皆様に本プロジェクトへのご支援とご協力を賜りたく,よろしくお願い申し上げます。

東京大学大学院 情報学環・学際情報学府
教授 渡邉英徳

デジタルアーカイブを活用した「記憶の継承」

戦争や激甚災害の多発する時代において,先端テクノロジーと若い世代の力を活かして「災いの記憶」を未来に継承する「デジタルアーカイブ」を開発・運用します。



プロジェクトのおもな取り組み

新世代のデジタルアーカイブ・システム開発

  • VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・AI(人工知能)などを活用した,新世代のアーカイブ・システムの開発

記憶の継承の主体となる担い手の育成

  • 学生を中心とした,記憶の継承の主体となる「若い世代」の教育,被災地など海外の教育・研究機関との連携

被災地との連携

  • デジタルアーカイブを基盤とした国内・海外の被災地との連携,災害によって危機に瀕しているコミュニティの再建支援


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