M2の山口温大です。
修士論文研究として「kaleidomap: 地図をコラージュする地図表現の研究」に取り組みました。
この研究では、地図をコラージュする地図表現の作品の制作と展示を行い、その感想などを分析しました。
動画
はじめに
地図は目的のもとに地図は地表をある目的のもとに記号化して表現したもので、その表現取り上げているランドマーク表現方法(色、記号など)位置関係(歪み、変形)は様々です。
地図にはその作成者の視点が反映されており、多様な地図を見ることで多様な視点での地域観察が可能になるはずである。そこで複数の地図をコラージュする作品「kaleidomap」を制作しました。
制作
kaleidomapは、地形の立体模型と、その上に投影するコラージュ地図の映像に大きく分かれます。
地図・地域の選定、地形模型、投影方法などのデザイン要素をそれぞれ試行錯誤しながら検討して制作を行いました。
今回の制作では、本郷・上野地域を対象とし、10種類以上の地図をコラージュしました。コラージュの断片が移動していくことで、同じ地域を複数の地図を通して見ることができます。
展示
作品を、3つの展示会に出展しました。展示では鑑賞者から感想を集め、分析を行いました。
地図をコラージュする表現手法により、地図制作者の視点を通じた地域観察ができるようになったと考えられます。
また、コラージュという表現方法のメリットとして、3つ以上の地図の比較を容易にする、興味を喚起するなどの特長が明らかになりました。
詳しい研究内容は外部発表等でご覧ください。
- 山口 温大, 天野 克敏, 濱津 すみれ, 飯田 ジュリエット柚実, 渡邉 英徳, コラージュにより地図表現の違いを認識させる作品「kaleidomap」の制作, 地図, 2024, 62 巻, Supplement 号, p. 35-36, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjca/62/Supplement/62_35/_article/-char/ja, (口頭発表)
- Atsuhiro Yamaguchi, Katsutoshi Amano, Sumire Hamatsu, Yumi Iida Juliet and Hidenori Watanave, "kaleidomap: An Artistic Collage Map Highlighting the Diversity of Map Expressions", The First Asian Cartographic Conference (AsiaCarto2024), December 8-10, 2024.(口頭発表、Best Student Paper Presentation Award)
おわりに
修士課程では、研究、制作、展示、WSなど様々な経験ができました。非常に充実した2年間でした。
地図の作品制作は今後も継続していく予定です。
これまでに制作した他の作品も含めてこちらで紹介しています。