東京大学大学院情報学環・学際情報学府 修士課程2年 平澤彰悟です。
2024年3月12日 から 2024年3月18日までトルコ出張に行って参りました。
Istanbul Technical University(以下ITU)の学生と共に、イスタンブールにある旧総領事館の建物を3Dスキャンするプロジェクトを行いました。本記事ではプロジェクトの概要と活動報告をさせていただきます。
プロジェクト背景
イスタンブール市内にある旧総領事館を訪れ、室内の3Dスキャンを行いました。
Google Maps: https://maps.app.goo.gl/iZBvnjUWhqNhcezh8
もともと総領事館として活用されていた建物ですが、現在は外交の場としては活用されていないとのことです。中に入ると、壮麗な内装広がりまだまだ現役で活用できるだけの潜在能力はあることがわかります。
今回のプロジェクト3Dデータを用いて、旧総領事館の魅力を外部に発信することを目的としています。今回はプロジェクトのキックオフとして実際に旧総領事館に出向き、3Dスキャンのノウハウを学びながら、実際にプロトタイプを作成するところまで行いました。
3Dスキャンの様子
今回は各々のスマートフォンに「Polycam」という無料アプリ(一部有料機能あり)をインストールしてスキャンを行いました。以下に記載してあるURLからダウンロードいただけます。
Polycamは誰もが手軽に3Dモデルを作成できる設計となっています。キャプチャーしたい対象物をスマートフォンのカメラで撮影するだけで、高度な3Dモデルを即座に作成することができます。東大、ITUの学生ともに3Dスキャン初心者が大半を占める中、クイックにコツを掴み3Dスキャンを作成していきました。
作成した3Dモデル
旧総領事館の地下一階から一階にかけて設置されている階段をスキャンしました。
スキャンに要した時間は5分程度でした。
Polycamを利用することで以下のような部屋の3Dの間取り図も作成することができます。
アプリ内の機能を使うことで2Dの間取り図も出力することが可能です。部屋の寸法や家具の位置まで表記されています。
また、試験的に一部の学生で「Scaniverce」という別の3Dスキャンアプリケーションも活用して、スキャンを行いました。
Scaniverceは壁の詳細まできれいにスキャンすることが可能で、詳細な部分までスキャンしたい場合はScaniverce、広域をスキャンしたいときはPolycamという使い分けがよいかもしれません。
さいごに
ITUと東大の学生共に、3Dスキャン初心者が多い中で手軽でかつ短時間で高精度な3Dモデルが作成できたことに感動しました。写真や動画だけでは伝わりづらい細かな情報が3Dモデルを用いることで表現でき、立体的な表現の可能性を見出すことができました。
今回はキックオフということで、引き続きITUと協業して本プロジェクトを進めてまいります。