現在,GoogleとTwitterが主催している「
東日本大震災ビッグデータワークショップ」に参加中です.
「東日本大震災ビッグデータワークショップ - Project 311 -」 では震災発生から1週間の間に実際に発生したデータを参加者に提供いたします。参加者はそのデータを改めて分析することによって、今後起こりうる災害に備えて、どのようなことができるかを議論し、サービスを開発することができます。
私が
昨年の震災直後に利用させていただいたHONDAの通行実績情報をはじめ,多数の企業からデータが提供されています.9/19のオフィスアワーでは活発な議論が交わされました.参加メンバーによって,
既に幾つかのプロジェクトがスタートしています.私は現在,以下のプロジェクトに参加しています.
■(マス)メディア・カバレージ・マップ
震災直後のTV放送や新聞記事に含まれていた地名を抽出し、地図に時系列でマッピングすることで、マスメディア報道が網羅していた / 網羅できなかった地域を可視化する。現実の被災状況や、支援を必要としていた地域など、ボトムアップで提供された情報とマッシュアップし、差異を浮かび上がらせる。
こちらは私がリーダーのプロジェクト.NHK,朝日新聞などから提供されているデータを用います.これまでマッピング系の仕事を手伝っていただいてきた
@pcaffeineさんと進行中,近日公開の予定.
■Project Hayano:SPEEDI&通行実績情報マッシュアップ
原発から放出されたヨウ素のプルームのシミュレーション及びSPEEDIのデータと、今回提供されるデータをかけあわせた分析を行い、次の災害に備える。
こちらは
早野龍五先生(
@hayano)がリーダーのプロジェクト.主にTwitter上でやり取りしながら進めています.2011年3月15日~16日に掛けての
SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の予測データと,通行実績情報や混雑情報,ジオタグ付きツイートなどをマッシュアップした
コンテンツを公開しています.上の画像は,3月15日夜に予測されたヨウ素プリュームと,その日の通行実績が重なってみえているところです.
このように,現時点ではこちらのプロジェクトのほうが先行しています.スキャンデータをベジェで綺麗になぞったりせず力技でオーバレイ化したり,通行実績情報kmzデータの表示を軽くするため,画面キャプチャをそのまま透明化して使ったりしています.国から提供される情報がそもそもスキャンデータばかり,ということもありますが,震災後の切羽詰まった雰囲気,とにかくなんとかしなきゃ,というあの状況を思い出しつつ,作業していることも影響しています.
今後もこのマッシュアップにさまざまなデータを重層することで,新たな知見が得られるかも知れません.
こうしてたくさんの方々と遠隔でコラボレーションしていると,震災直後に,ウェブ上のエンジニア,クリエイターたちとソーシャルメディアでやり取りしながら,災害状況を伝えるためのコンテンツをひたすら作りつづけていたことを思い出します.当時,私が関わったコンテンツについては
このドキュメントにまとめています.Twitter上のやりとりは
@Fumiさんによって
随時まとめられていますが,ワークショップの最終的な成果のみではなく,会期を通じてどのような(Web)アクティビティが展開されたのかについて,記述しておく必要があるように思います.ワークショップは10月末の発表会まで続きます.(wtnv)