第14回文化庁メディア芸術祭最終日⇒CF2011

きのうは第14回文化庁メディア芸術祭受賞作品展の最終日.かなり寒かったのですが,私も会場入りして作品説明を行ってきました.昼前には,それはもうものすごい人ごみ.


鳥巣智行さん大瀬良亮さんのTweetで察してはいたのですが,Nagasaki Archiveは鑑賞者ひとりあたりの閲覧時間が長い.10分程度は眺めているかたがおられました.昨年のようにお立ち台するには混みすぎていたので数名のかたにしか説明できませんでしたが,それでも有意義なコミュニケーションが図れたと思います.作品展示をとおして作者と来場者のつながりが深まる,フェスティバルの醍醐味です.文化庁メディア芸術祭では,毎年ほんとうにいい場がつくられています.今後もぜひ継続してほしい空間づくりのコンセプトです.

11日にはTBSのテレビ取材が入ったそうです.私は別件で会場に出向けなかったのですが,インタビューを受けたかたのblog記事をみつけたので以下に引用しておきます(改行など適宜編集してます).
コレをちょいと熱心にいじってみてたら某テレビ局のドキュメント作ってる人たちにインタビューされた。カメラの前って緊張するね、噛みまくった。
長崎に原爆が落とされたアーカイブとして首都大学東京で作成されたものらしい。
個人的にはGoogleEarthなどのWEBサービスと位置座標を得て、その場所の昔と現在をつないで、3次元的、4次元的に見せる手法のデキに感嘆してしまい、素直にその感想をインタビューで答えてしまった。まあカットだろうなw
ただ、原子爆弾「ファットボーイ」が爆発した爆心地のポイントと爆発の範囲を示すオブジェクトがあって、3D地図の地表から見ると妙に生々しく映った。
核爆弾の爆発は空中でおこなうもんだったんだな。
広範囲に効果を出すならたしかにそのほうがベターだろな。 
ツバルの際はGoogle Earthのクライアントソフトを用いた展示で,あらぬところにズームしたり,日本の自宅を眺めたりする鑑賞者もみられましたが,今回はAPIを活かしたナビゲーションを組み込んでおり,起動時に自動的に長崎にズームインします.また,1945年の長崎の地図と同心円のオーバレイも効果的にはたらき,他の場所にさまよっていくケースはみられなかったように思います.インターフェイスデザインの重要性を感じます.

国立新美術館をあとに,神宮前Vacantで開催中の「クリエイティブ・ファンタジスタ2011」の会場へ.制作協力した作品の確認,他の作家さんの作品を鑑賞しつつ,美術家の門脇篤さんとのシンポジウム「ソーシャルメディアアート宣言!」に参加しました.


東京工芸大の笠尾先生もいらしていて,少人数ながらなかなか楽しく熱いセッションとなりました.私はツバルプロジェクトとNagasaki Archive,それから今回制作したbotや学生たちのbotなどの紹介を通して「ソーシャルメディアアート」の概念について思うところを述べました.岡田智博さんによるまとめが近日中に公開されるはずですが,印象に残ったtweetを以下に転載しておきます.

 Creative Fantasista 

「ソーシャルメディアアート宣言!」渡邉英徳さん @ 、ソーシャルメディアにおけるクリエイティブのかたちは、善なるもの、もしくはenvyなるもの、それぞれ対峙させることであろう。 

先端表現を,落ち着いた空間でゆっくり楽しめる「クリエイティブ・ファンタジスタ」の会期は20日まで.ぜひ.(wtnv)