自分は卒業制作として"ekicompo"というアプリケーションを作成しました。
これは聴いている音楽にひと言を添えて鉄道駅に置いて共有するiPohneアプリです。
自分には「生活圏や通勤、通学の通過駅の景観や地域そのものはあまり意識されていないのでは?」という疑問がありました。
昨年9月に参加した福知山市での地域理解ワークショップにて現地高校生から「学校の周りや通学路などの地域は眺めているけど、意識していない」という答えもあって、自分が抱いたこの疑問をテーマに研究を行いました。
地域を見てもらうために、何を利用するか考え、最終的に音楽を利用することに決めました。音楽は聴覚メディアであるので、視界を邪魔せずに触れてもらえます。
また、ご当地ソングのようにしばしば音楽は意識の上で場所や季節に紐づけられますが、情報メディアとしての音楽に時空間情報はありません。つまり音楽は時空間情報を付与することで実空間に紐づけ、非同期的に共有することが可能です。
この紐づけによって、場所を介し、時間を越えて自分以外の立場から地域を理解したり、場所に即した新しい音楽の鑑賞法が生まれると考えています。
投稿された音楽データを駅に紐づけたのは、駅が人の流れの起点であることと街の中心に据えられているからです。
2017年の春にはリリース予定です。ご期待ください。
今後は駅や音楽の検索機能や、連続再生の自動化などの機能を実装していきたいと思っています。
ネットワークデザインスタジオに入ってくるみなさんへ
卒業制作は"ただ作りたいから作った"で済むものではなく、"なぜそのテーマで作ったのか"、"その結果何が発見できたか"が重要となります。
常に自分が目指す結果と過程について考えて製作しなければなりません。
一年間研究を続けるのにロジカルに考える力は必ず必要です。
そして、この研究室ではそれを養うことができます。
プログラミングなどの技術的なこと以外でも学ぶことがたくさんあると思います。
先生、先輩にどんどん聞いていくといいでしょう。
僕は来年度も修士として在籍予定なので、よろしくお願いしますね!