光文社新書『戦中写真が伝える 動物たちがみた戦争』刊行のお知らせ


東京大学大学院情報学環・渡邉英徳研究室は、株式会社光文社(代表取締役社長:巴一寿)は、戦場の動物たちの写真をカラー化した写真集『戦中写真が伝える 動物たちがみた戦争』(光文社新書)を7月16日(水)に出版します。

本書は毎日新聞社が所蔵する貴重な戦中写真6万枚をデータベース化した「毎日戦中写真アーカイブ」と連携し、同アーカイブの中から、軍馬や軍犬、軍鳩、その他にも戦時の人間を支え、癒やした動物たちの写真を掲載しています。

掲載にあたっては,渡邉教授が最新のAI技術を用いながら歴史資料と専門家との検証を重ねて色を補正し、可能な限り史実に沿ったカラー化を施しました。また、貴志俊彦教授(専門:アジア史、東京大学大学院情報学環客員教授、京都大学名誉教授、ノートルダム清心女子大学教授)により、動物たちが戦争に利用されていた当時の背景などが解説されています。

研究室の学生も、写真の選定・カラー化、関連コンテンツの制作に参加しています。学生たちの活動については巻末の座談会に収録されており、さらに付録のQRコード経由でコンテンツをご覧になれます。ぜひ、お読みください。

【書誌情報】

  • タイトル:『戦中写真が伝える 動物たちがみた戦争』
  • 編著者:渡邉英徳 貴志俊彦 中島みゆき
  • 発売:株式会社光文社
  • 発売日:2025年7月16日(水)※電子書籍は同日発売予定
  • 定価:本体1,500円+税
  • 判型:新書判ソフトカバー
  • ページ数:288ページ(予定)
  • ISBN:978-4-334-10694-2
  • 予約販売ページ(Amazon): https://www.amazon.co.jp/dp/4334106730

【編著者プロフィール】

渡邉英徳(わたなべひでのり)

1974年、大分県生まれ。東京大学大学院情報学環教授。専門は情報デザインとデジタルアーカイブ。これまでに「ヒロシマ・アーカイブ」「ナガサキ・アーカイブ」「ウクライナ衛星画像マップ」「能登半島地震フォトグラメトリ・マップ」などを制作。『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』(共著)、『デジタルアーカイブ入門 つかう・つくる・支える』(責任編集)などを執筆。

貴志俊彦(きしとしひこ)

1959年、兵庫県生まれ。東京大学大学院情報学環客員教授、ノートルダム清心女子大学国際文化学部教授、京都大学名誉教授。表象・メディア研究、アジア史、地域研究を専門とする。単著に『戦争特派員は見た』『イギリス連邦占領軍と岡山』『帝国日本のプロパガンダ』『東アジア流行歌アワー』『満洲国のビジュアル・メディア』、共編著に『情報・通信・メディアの歴史を考える』『描かれたマカオ』『よみがえる 沖縄 米国施政権下のテレビ映像』など多数。

中島みゆき(なかじまみゆき)

1966年、群馬県生まれ。毎日新聞記者、東京大学大学院情報学環客員研究員、慶應義塾大学非常勤講師。災害復興と記憶の構成過程について研究している。専攻は社会情報学。1989年毎日新聞社入社。経済部、学芸部などを経て2022年より「毎日戦中写真アーカイブ委員会」事務局。2014年在職のまま東京大学大学院に進学し、東日本大震災で被災した石巻市大川地区の復興過程を研究。2016年度に渡邉英徳氏とともに「記憶の街」アーカイブ制作。2025年3月博士後期課程単位取得満期退学。2024年、論文「災害展示をめぐる合意形成過程」で地域社会学会奨励賞受賞。

【収録したカラー化写真の例】