「ガクメシ」:東京都内にある大学の学食を地図にマッピングし,さらにARで閲覧可能にしたアプリ.それぞれの学食のウリを知ることができます.地図上で位置を確認するだけではなく,現在地点からの距離と方角を把握することもできるので,散歩しながら学食探訪できるかも.外部サイトと連携するなど,資料集めに手間の掛かっている労作.ポップで有用なアプリになっています.
「SEKIGAHARA AR 第一幕 布陣・対峙」:実際の関ヶ原の戦いの資料をもとに,戦況の変化,戦場のようす,武将や兵士たちの心境などを,地図とTwitterライクなインターフェイスで閲覧することができます.さらにARモードでは自身を取り囲む武将のすがたを眺めて,戦場の雰囲気を味わうこともできます.元々のライブラリのカスタマイズに掛けた労力と,アプリとしての完成度がすばらしい作品です.
「きもちの停留所」:八王子市内のバス停と“元気がでる”名言を対置したアプリ.「辛いときや悲しいとき、無理して一歩を踏み出そうとせずこのアプリを使ってみてください。今立ち止まっている場所があなたのきもちの停留所です。切符をタッチすることできっとあなたが求めている言葉が見つかるはず」.空中にそっと浮かべられたことばの切符を手にして,こころの目的地に向かうきっかけが生まれます.センチメンタルな佳品.
ARアプリ制作課題は,今年はじめて取り組んだものです.使用したARライブラリのつくりが簡潔であることも手伝って,成果物は上記のように,バリエーション豊かなものとなりました.関ヶ原アプリはObjective-Cのプログラミングで大幅にカスタマイズされていますが,その他の二作品は,ほぼkmlと画像素材の置き換えのみで制作されています.プログラミングに習熟していない学生でもこうしたアプリを制作し,実際に配布できるレベルまで仕上げることができるということがわかります.この課題は来年度以降も継続しつつ,さらに発展させていきたいと考えています.なお,この課題に用いたARライブラリは,ヒロシマ・アーカイブARアプリのために,ゴーガ社によって制作されたものです.(wtnv)