中間報告:ウェザーニューズ「減災リポート」×「NHKによる報道がなされた地域」のマッシュアップ #shinsaidata

東日本大震災ビッグデータワークショップ」にて進めている「マスメディア・カバレッジ・マップ」プロジェクトも,次第に充実してきました.当初 @pcaffeine さんと独自に進めていた「NHKによる報道がなされた地域」のマッピングも,NHK技研の山田様から解析データをご提供いただき,精度が向上しています.


10/13にGoogleで行われた中間報告会でも,このマップからどのようなことが言えるか,今後どう活用していくのか,について活発な議論が交わされました.全体ディスカッションのうち「マスメディア・カバレッジ・マップ」に関する議論のようすはこちらからご覧になれます

議論のなかでおこなった私のプレゼンテーションも触れているように,私たちがワークショップ開始時から現在までにマッシュアップしているデータのうち,マスメディア報道と相互補完的に機能し得る / し得たのではないかと考えているのは,ウェザーニューズの「減災リポーター」による災害状況の報告です.以下に,NHK報道の空白地帯における「減災リポート」の例を示します.


ふだんから「災害状況を伝える」という使命感を心のどこかに備えながら日常を過ごしている一般のかたがたが,各々の身の回りの状況をモバイル機器を使ってレポートする.その集積がマスメディアによる報道の空白を埋めていく.そうしたイメージが思い描けます.下記のようなレポートもマッピングされています.これはマスメディア覆域内部で発信された,しかしマスメディアでは決して伝えられない内容です.


ジオタグ付きツイートのレイヤにも,こうした災害状況報告の事例は見受けられますが,膨大なジオタグ付きツイートからどう絞り込んで各々を把握するのか,という難点があります.そうした視点でジオタグ付きツイートを眺めていると,地震発生直後は各自がそれぞれのルールで,個別に情報発信をしていたこともわかってきます.

今後は,我々が作成したような俯瞰的 / 微視的に情報を閲覧できるインターフェイスを設けるだけではなく,前述したような「使命感を持って災害状況を報告するユーザ」をどう育てるか,情報発信にどういう指針を定めるのか,という社会的実践が必要になってくると思います.(wtnv)