20160228

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ソーシャルメディア・コンテンツの意識化を促進する情報デザインの創出とオルタナティブメディアの実践

20160228 21:50


お世話になっております、D3原田真喜子です。

平成18年に同大学システムデザイン学部インダストリアルアートコースに入学し、早10年経ちました。 


卒業制作「Independence Archive of Bangladesh」
修士研究「Web集合知における特徴語抽出と感情メタデータ付与による概念体系の視覚化」 博士研究「ソーシャルメディア・コンテンツの意識化を促進する情報デザインの創出とオルタナティブメディアの実践」

 をテーマに掲げ、学んできました。 


情報社会と呼ばれる現在、私たちは「メディア(媒体)」を通して情報を獲得します。 日本国内において、やはり情報を統括するのはマスメディアでしょう。 しかし、ソーシャルメディアが普及した現在、このコンテンツからマスメディアでは網羅できないニッチな、しかし諸課題の本質を訴える情報を 見いだすことができます。 このように、マスメディアでは取り上げられないような情報を扱うメディアを「オルタナティブメディア」と呼びます。 つまりソーシャルメディアはオルタナティブメディアの側面を持つと考えられます。 


しかし、ソーシャルメディアの情報受発信を支援するWUIは、即時性・話題性を重視したうえ、ユーザ間のプライベートなコミュニケーションを支援するものとして設計されてきました。 さらに、そのWUIは定式化する傾向にあります。 この場合、ユーザのメディア・リテラシーの程度によっては、「マスメディアでは網羅できないニッチな、でも諸課題の本質を備える情報」を持つコンテンツが適切に伝達・理解されないことが懸念されます。 また、オルタナティブメディアの側面からソーシャルメディアを見た場合、特定少数のためのメディアとして理解されがちであったオルタナティブメディアに「一般市民の参加」を促すことが期待されています。


そこで、私はこの課題を補うために「ソーシャルメディア・コンテンツの意識化を促進する情報デザインの創出とオルタナティブメディアの実践」を研究テーマとして掲げました。


本研究では、ソーシャルメディア上の「つながり」と「集合知」について、これらの特性に影響を与える「ユーザの感性」に着目する情報デザインの創出・実践・公開・検証を通して、ソーシャルメディア・コンテンツの意識化にアプローチしました。
ここでは「足湯のつぶやきBOT」「Babeem」「コトバノキ」の3つのケーススタディを通して検討を行いました。 その結果、提案手法から情報拡散・多角的な情報理解と既存のWUIとは異なる語の知覚を支援する効果を確認することができ、オルタナティブメディアとしてソーシャルメディア・コンテンツを扱うための一つのモデルを示すことができたと考察しました。 


本研究のアプローチによって、既存のメディアでは埋没していた、社会における多様な事象を人々に伝えることを支援することができます。 さらに、ソーシャルメディア・コンテンツを介してオルタナティブメディアに一般市民の参加を促すことが期待されます。 オルタナティブメディアとソーシャルメディアを架橋するコンテンツの利活用を促進する本研究の成果は、社会的課題を解決するための一つのメディアのあり方になりうると考えます。


 さて、私は上記の研究に取り組みつつ3人の子を出産・育児してきました。 「大変でしょう?」と問われることも多いのですが、正直「大変でした」。 しかし、この大変さはあくまで自身のキャパシティに由来するものであり、「学生だから」「育児中だから」といったことではありません。 というのも、大学・地元・友人知人家族の優しいサポートに恵まれていたので、このキャパシティを十二分に補うことができました。

10年の学生生活のうち、5年間は子供がいました。うち2年間は大学に0歳の子供と一緒に通いました。


指導教官である渡邉先生は、子供の関係で欠席しがちだったり、研究室に子連れで行くことを快諾してくださいました。また、研究のみならず、研究者としての姿勢や人間的な品行についても多用な指南をいただきました。
研究室では、ゼミ生が子供をあやしてくれました。また、泣いても嫌な顔一つせず付き合ってくれました。
他研究室の先生方は、キャンパスでお会いするたびに声をかけ、励ましてくださいました。
大学事務の方も、子供を抱えながらギリギリな書類提出ばかりで、郵送手続きを多用しましたが、いつも真摯に接してくださいました。
授乳室が欲しいと相談したらすぐに手配をしてくれました。
生協の方は、「赤ちゃん元気?」と顔を覚えて、声をかけてくれました。重たい荷物を購入した時は、運ぶのを手伝ったりしてくださいました。
学会やコンペでお会いした方々も、不安定な研究生活を応援してくださいました。
研究のためにAPIを使用するときは、APIのみならず研究についてまでアドバイスをいただきました。
地元の友人知人は、忙しい時に子供を預かって遊んでくれました。
旦那さん・両親・義両親は、学生であることを許してくれた上に学会や発表のときに子供を見てくれました。 


今回、学位審査を無事に通過できたのも、(ここには書ききれませんが)これまで助けてくださった皆様のおかげと感謝しています。


 今、研究者としてのスタートラインに立つことができたと思っています。 今後も研究者として、デザイナーとして、エンジニアとして、アーティストとして、自身の興味関心の赴くままに活動していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。


 最後にネットワーク研後輩たちへ


本当に色々とお世話になりました。わがまま放題でご迷惑をおかけしました。
 1期〜7期までのゼミ生と一緒に研究生活を送ることができました。一緒に学ぶことができて幸せです。 

来年度以降のゼミ生は、楽しく研究を遂行してください。 ネットワーク研は、テーマが自由です。いい意味でやりたい放題です。でも、決めたテーマについてどのようにアプローチするのか、スケジュールを立てるか、研究の進捗報告などについてはシビアです。頑張って下さい。あと、卒業制作に取り掛かると体調を壊す人が多くなります。どうか体調管理に気をつけて下さい。困った時は、研究室のお姉さんに相談するといいと思います。美味しそうな匂いのものを提供してくれると思います。 個人的な感想ですが、最近はネットワーク研の色がまとまってきていると思っています。うれしいことです。 でも誰か、明後日な方向の研究課題を実践してみてください。楽しみにしています。