10年の学生生活とその集大成

こんにちは。
ブログの書き方を忘れてしまったインダス2期生の高田百合奈です。

学生は、つい先日研究発表を終え、卒業生は、本日までの学内展や今後開催予定の学外展の準備で、慌ただしく活動しております。
この光景を毎年眺め、気付けば早いもので10年以上大学生活を送っていました。
研究室の在籍期間で言っても、もう8年目ですね。
そんな私は、去年の9月末に無事博士号を取得し、10年半の学生生活に終止符を打ちました。
現在は渡邉研究室の特任助教として在籍しております。
久々に研究室ブログを書くため、冒頭の挨拶でなんと名乗ろうか迷い、結局「2期生」という表現にしてみました。

本日は、学生生活の集大成と言える博士研究の報告と、振り返って思うところを少しばかり綴っていきたいと思います。

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さて、少し時期が遡りますが、去年の8月末に、
「道に迷う複合的要因からアプローチするナビゲーションシステムの研究」
というテーマで、博士研究の公聴会を開催しました。
お越し頂いた皆さま、ありがとうございました。
この研究テーマは、学部生の卒業研究から続いており、これまでに関わったプロジェクトも複数関連しているので、そう言った意味でも、学生生活の集大成と言えるものになりました。


*論文製本して、ちゃんとかっこよくなりました。

学部生時代に抱いた、

「地図という便利なツールがあるにも関わらず、なぜ道に迷ってしまう人(私)がいるのだろうか・・・」

という疑問から、「人はなぜ道に迷うのか」をテーマに研究を進め、今日に至ります。
自分の身の回りのことから生まれたテーマ、言わば、自分のための研究でした。
研究を進めるにつれ、心理学や建築学、脳科学など多岐に渡る分野と関連しているとわかり、それらの知見を繋ぐナビゲーション方法を考察し、開発まで行うことができました。


*開発したアプリの画面の一部。ユーザの方向感覚の診断結果によって、地図の表示パターンが変化します。

ここまでの研究成果は、博士研究という1つの形としてまとめ上げましたが、まだまだ実装したいこと、展望として構想していることが残っています。
これらを実現することを、今目に見える目標の1つとして掲げ、研究者としての一歩を踏み出したいと思います。

また、博士研究の中で、多分野に目を向けられたことや、渡邉研究室に所属して以来、数多くのプロジェクトに関わらせて頂いたことで、自分の興味の幅が広がったように感じます。
様々な分野の方々との交流を経て、これまで全く知らなかった分野でも自分が貢献できることを発見できました。
1つのことから次々と派生して、研究が繋がっていく姿は、客観的に見ても私の人生らしいなと感じてしまいます。

そんな長い学生生活で得られたものは数多くありますが、一番に挙げるべきものは、セレンディピティなのではないかと思います。
幸運や成功を掴むというより、偶然他の価値を見つけるといった意味でですね。
私の研究人生は、まさに偶然の出会いとそこへの探究心の連続です。


研究というのは、卒業研究とか、研究費を得てするものだけではなく、自分の経験そのものであると捉えています。
自分の経験で得たことをきっかけに、テーマやアイディアを発想できるのが、研究の醍醐味であると感じています。
おそらく物の考え方次第で変わる問題で、プライベートと仕事を分けて考えるか、それとも一貫して考えてみるかで、自分の人生を社会に繋ぐことができるかが決まるのではないでしょうか。

「どうせだったら、人生と研究を繋げて考えたい」

というのが個人的見解です。
人生全て勉強だと思っているので、1つに拘らず、培ったセレンディピティで、興味の矛先を変えながら、言い方はあれですが、これからも好き勝手に生きていこうと思います。

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後輩へのアドバイスというか、ちょっと先輩による人生のヒントになったかは分かりませんが、少しでも関心を持ってもらえていれば嬉しいです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。



高田百合奈