ネットワークデザインスタジオ4年の小林啓です。
約半年、研究背景も含めると1年間に及ぶ卒業制作も終盤にかかりました。
終盤というのは、制作発表は終わりましたが自分の制作物はまだ非公開であり、完成度を高めてから公開しようと考えているからです。
私は他の方の卒業制作とは少し異なり、システムの提案という形をとらせていただきました。
そのシステムというのは「MTS(マップ投稿システム)」です。
マップ投稿とは、一般ユーザーが地図上にコンテンツを投稿するという意味です。
■背景
近年、TwitterやFacebook、Google+などのSNSが注目され人々が発する情報の価値が高まってきました。それらのコンテンツは口コミや会話であり、ほとんどのものがテキスト主体です。
しかし、従来の情報共有サービスのユーザーインターフェースはただテキストを並べただけであり、どれが重要な情報か、欲している情報かというのがわかりづらいという問題があります。
そこで大量の情報を整理し、受け手にわかりやすく伝える手段はないかと考えました。
■既存の事例「オンライン地図による、情報のビジュアライゼーション」
・「福島県SHOP MAP」
私が震災後に制作したもので、福島県の営業、休業しているスーパーの情報をオンライン地図を使ってまとめたものです。3種類のスーパー全店をまとめています。これによって異なるスーパーの営業、休業が普段見慣れた地図より探し出すことができ、ユーザーに素早く情報を伝えることができました。
しかし、全て手作業で編集しているため、情報の量、速報性に限りがありました。
・「世界一大きな絵Web版」
こちらは前期のゼミで関わったもので、ブラウザ上で絵を描き、オンライン地図上に投稿し、リアルタイムに投稿内容が反映されるものです。
自動処理によりリアルタイムに情報が反映され、また、デモンストレーションを行った際に小学生でも使うことができたことから、ユーザーにとってわかりやすいユーザーインターフェースをとっていました。
機能は投稿と閲覧が主で、それ以外の機能はありませんでした。閲覧ユーザーが投稿コンテンツに対する何らかのアックションがとれたなら、このWebサービスは継続的な利用があったのではないかと考えました。
■目的
以上より、今回の卒業制作の目的を設定しました。
- 地図による情報整理を行う
- 口コミを利用した情報共有サービス
- 自動処理(速報性)
- コミュニケーション可能
- 汎用性
■制作物「MTS」
実際に制作したものが最初の画像です。
-投稿-
投稿方法は、地図上で好みの場所を選択します。投稿内容はテキストと画像があり、htmlでお好きなように制作できます。
-閲覧-
地図上のアイコンをクリックすると投稿されたコンテンツを見ることができます。投稿された内容の他に「いいねボタン」「知ってるボタン」「Facebookのコメントボックス」を設置してあります。「いいねボタン」は押されるとポイントが増えていき、アイコンがポイント数に応じて拡大します。「知ってるボタン」は押されると住所を選択する画面に移動し、入力された場所とコンテンツが線で結ばれます。どちらもコンテンツの知名度、人気度を視覚可するためのものです。-システム-
紫で囲まれた部分が今回制作した部分です。APIは地図の描画のための「Google Maps V3 API 」、TwitterIDの存在確認のための「Twitter API」を使用しております。それぞれ特殊なキー(API使用時に求められる鍵)は使用しておりません。なので導入する際にややっこしい設定必要ありません。-汎用性-
このシステムをWebサイトで配布します。ダウンロードしたものをmySQL対応のサーバーにアップロードし、管理画面にてmySQLやデザインなどの設定を行います。■結果
当初に設定した目的は達成できましたが、スマートフォン用のデザイン、UIなどの課題は多く、これからも完成度を高めなければならないと感じました。
以上が私の卒業制作です。
今回の制作で技術面は上達しました。そして何より「ユーザーインターフェース」について考えさせられました。私は4月よりモバイルサービス系の会社で制作職で働かさせていただきますが、これからも使いやすさ、顧客目線というものを突き詰めたいと思います。
— 後輩へ —
この時期は就職活動で忙しいと思います。その分得られるものは大きいと思います。私自身、いろいろな人と出会い、学んで、成長したと思います。私はどっちかと言わなくてもネガティブです。失敗したらいつまでも引きずり、次はそんな思いをしないよう逃げます。でも、やっぱり最近になって思います。
「失敗は成功のもと」と。
ある程度のリスクを負う覚悟で行動しないとなにも得られない、とこの前大人に言われました。その通りだと思います。
失敗したリベンジしてやる、それでも失敗したらできるまでリベンジだ!という気持ちを私はこれから身につけたいと思います。
皆さんも是非そう思ってください。