課題文
2020年、日本でのオリンピック開催が決定しています。
東日本大震災以降、さまざまな問題が今だ解決されていない状況の中、オリンピック開催に批判的な意見もあります。そして、新国立競技場やエンブレムにまつわる一連のできごとを通じて、「デザイン」を学び、研究している私たちの姿勢が、あらためて問われている時期とも言えます。とはいえ、私たちクリエイターにとって、世界のありようを見据えて、来るべきイベントに向けて思考を巡らせる時間は、新たな社会デザインや地域デザインを思考するための、またとないチャンスです。
50年前の東京五輪1964年大会当時も、建築家・デザイナーたちが多岐に渡る仕事に取り組みました。全国の人々の生活や街の姿は、オリンピックを契機として大きく変わりました。2020年は、みなさんにとって比較的イメージしやすい近未来です。半世紀前に人々が経験したできごとを、私たちが学ぶ「デザイン」を切り口として受け継ぎ、5年後や、さらに未来の社会に活かすことはできないでしょうか。そこで今回の課題のテーマを、1964年(五輪)の記憶・記録を2020年(五輪)につなぐこと、としました。
本課題は、首都大学東京と朝日新聞社の共同研究をベースとしています。このテーマに合わせて、1964年大会当時の全国の報道写真が、朝日新聞フォトアーカイブより提供されます。企画提案・作品制作の際には、「位置情報・地理情報」をベースとしてください。そのために、デジタル地球儀・GISソフトの使い方をレクチャーする予定です。また、コンテンツに留まらない「社会的アクティビティ」の提案を期待します。先行事例として「ヒロシマ・アーカイブ」などを参照してください。
なお、宮城大メンバーと関東圏のメンバーは、直接コミュニケーションを取ることが難しい状況にあります。オンラインツールを活用しながら、チームごとに十分に議論と試行錯誤を重ね、各々のアイデアを表現し、未来に向けた動きを生み出していってください。(渡邉英徳・石川初・中田千彦・物部寛太郎)
詳細
- チームは三校混成とする予定です。詳細については調整後、連絡します。
- チーム内のコミュニケーションに際しては、メール、Skype、LINEなどのコミュニケーションツール、そしてGoogleドライブなどのファイル共有ツールを活用してください。
- 11月末に、朝日新聞メディアラボで講評会を開催する予定です。詳細なスケジュールについては、後日決定します。
成果物発表
成果物のうち、優秀作品は以下のサイトに掲載予定です。
- 「東京五輪アーカイブ1964-2020」上にマッピング
- 「東京五輪アーカイブ1964-2020」特設サイト