アイドル,ドローン,ファッション...私たちの研究をつなぐもの 週報20170608


  肌を触る風がほんのり冷たくなり始め,研究室から見える木々のゆったりとした揺らぎに癒されています。通学路のアジサイは満開で,梅雨の訪れが近づいていることを感じさせてくれます。
 沖縄の新聞社を休職し,今年4月から大学院に通う私にとって,10年ぶりの東京はなにもかもが新鮮です。

 



 6月8日のゼミは,学部4年生,大学院,研究生の16人。論文を読んだり,近しい研究分野のアプリを使って分析をしたり…。1週間,それぞれが試行錯誤した足跡をまとめ,研究の内容や自分の考えを渡邉先生にぶつけていきます。
 
 
 渡邉研究室の研究テーマは,SNS,ドローン,防災,自動販売機,ファッション,文化,アイドル,観光,地域,選挙など多岐にわたります。なぜ,これだけ幅広いテーマが一つの研究室に集まっているのでしょうか。

 


 実は,ゼミに身を投じると,バラバラにみえるテーマも,何かしら繋がっていることに気づきます。テーマだけに焦点を当てると抽象的でも,仲間の発表を聞き,議論するうちに,それぞれの研究の共通点が浮かび上がってくるのです。

 そして,自分の研究の新たな切り口を見つけるきっかけにもなります。"ネットワーク"という大切なキーワードでそれぞれの研究が繋がっていることを体感できる毎回4時間の学びは,まさに財産です。

 


 「最初からアイドルの研究しかないと思いました」。

 力強い声でこう説明したのは,4年の増田琴美さん(通称・こっとん)。

 

 今回のゼミのゲストで,ネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」のビジネスアナリスト酒澤和嗣さんから「なぜ,アイドルの研究なのか?」と質問を受けました。

 増田さんは,地下アイドルに興味関心を持ち,秋葉原に通い,アイドルに関わる文献を探して読み,インサイトを毎週発表しています。

「BASE(ベイス)」のビジネスアナリスト酒澤和嗣さん

 酒澤さんの質問をきっかけに,アイドル議論が次々と広がっていきます。
 
 増田さん「アイドルという単語が一般的になってきたのは最近の話」

 酒澤さん「どこからがアイドルなのか。偶像という側面もあり,偶像を求めると,神の領域になっていくのではないか」

 渡邉先生「元祖アイドルは出雲阿国? 土偶も当時のアイドルではないか」 

 増田さん「元祖という言葉を使う根拠が難しいと思う」



 4年の渡邉康太くんは,ドローンの軌跡をビジュアライズする研究に挑んでいます。今回,おもちゃのドローンを購入して,ゼミ中,研究室で飛ばしてみました。

 「おぉーーー」

 と大歓声。

 渡邉くんの華麗な操作もメンバーを夢中にさせます。
 渡邉先生が「ドローンがかっこよくて研究テーマがドローンに集中しないか心配」と冗談で言っていましたが,私も心揺れました。


 アイドルの論考あり,ドローンの実践あり,賑やかなゼミですが,今週末は研究のため,新潟県魚沼市・横根集落へ,6月末は広島へ,メンバーそれぞれ出張が控えています。横根では,田植えや地域の人と交流を楽しみに,私たちに何ができるのか,教えを頂きながら,行ってきます。


 

 ランチ後は,研究室の後ろで男性メンバーが,ネジを回したり,荷物を移動したり,50インチディスプレイを囲んで作業していました。



 「ちょうど?」
 「ぴったり?」
 「これで問題なければいいけど」


 さて,何ができあがるのでしょうか。待ち遠しいですね。


 


 来週のゲストはらいおん建築事務所の嶋田 洋平さんです。渡邉研の大きな魅力は,活躍されている社会人と直接出会い,研究の議論ができることにもあります。ネットのコンテンツ制作に興味が向きがちな渡邉研究室のメンバーが,リアルな世界で社会をよりよくする取り組みをされている嶋田さんとどのような議論ができるのか。

 来週までに質問の準備をする必要がありそうです。




6月8日ゼミ 私の注目ポイント
 
 増田さんが研究室に入ってくると「外国人みたい!」とメンバーからどよめきが!
 黒髪は金髪に。これまでのコンサバ系ファッションの装いはロングシャツに。


 増田さんに聞いたファッションポイント「下北沢のショップで見つけた瞬間,好きな青が基調で,かわいい!と思ってすぐに買いました。今日は宇宙をイメージしました」
 
 社会人になってはなかなかできないイメージチェンジ。学生ならではの変身術,私も今のうちかな?と熟考中です。


 報告者:與那覇里子