「みえない東京」をARアプリで表現する:ネットワーク演習実習課題


AR(拡張現実)技術をもちいたスマートフォンアプリが,広く普及しはじめています。こうしたアプリでは,実空間を映すカメラビューに,情報空間のデータを重ねて表示することによって,ユーザに利便性を提供しています。

現在,ナビゲーションアプリに代表されるように,AR技術はもっぱら「実用」的な情報を実空間に付加するために用いられているようです。しかしこうした実用的なアプローチでは,技術が持つポテンシャルを活かしきっているとは言えないのではないでしょうか。

例えば,AR技術を「表現」の技法として用いることによって,「実用」の枠を越え,我々の日常を「異なる視点」から眺め返す手段を,世界に生みだすこともできそうです。渡邉研で制作した「ヒロシマ・アーカイブ」「ナガサキ・アーカイブ」のARアプリでは,「過去の戦争の記録」を「現在の街並み」に重ね合わせることによって,日常の風景を異化することを試みています.

今回の課題では「みえない東京をARで表現する」ことをテーマとします。この「みえない」には,文字通り「不可視のもの」はもちろんのこと「見えているのに見過ごしているもの」「多すぎてみえなくなっているもの」なども含みます。そうした「みえない東京」を見つけ出し、AR技術を活用して可視化してください。

また,自治体におけるオープンデータ活動も盛んになってきています。今回の課題では,自分たちで集めたデータに加え,こうしたオープンデータも積極的に活用し,制作に取り組んでください。
  • 3〜4名のチームで共同制作します。
  • iOS用のARライブラリを使ってアプリを制作します。
  • 自治体等から提供されているオープンデータも積極的に活用すること。
  • 最終成果はApp Storeで公開します。
  • 7月末に最終提出です。