沖縄慰霊の日:戦時中の写真資料をピックアップして紹介 〜「沖縄平和学習アーカイブ」より〜

本日は、太平洋戦争時の、沖縄における戦闘終結を記憶に刻む「沖縄慰霊の日」です。私が総合監修を担当した「沖縄平和学習アーカイブ」には、沖縄公文書館から提供された多数の資料写真が掲載されています。その中からいくつかをご紹介します。


慶良間諸島で撮影された、アメリカ軍の上陸用舟艇を捉えたカラー写真です。エメラルド色の海と真っ白な砂浜がほんとうに美しい分、禍々しい被写体に愕然とさせられます。


那覇港を空爆する爆撃機から撮影された写真。大きな爆炎が上がっています。背景にみえるのは現在の那覇の衛星画像。太平洋戦争で沖縄が唯一経験した市街戦のようすを捉えたものです。


旧日本軍の嘉手納飛行場の写真。攻撃に向かう米軍機から撮影されたもの。背景にみえているのは現在の嘉手納基地。米軍は日本軍の飛行場を占領して、自らの基地として利用していきました。この写真に写っているできごとは、現代の基地問題に繋がっています。


現在、美ら海水族館からも眺めることのできる伊江島の、攻撃直前の写真。島にそびえるタッチューの横に、米軍の急降下爆撃機の姿が小さく写っています。この伊江島にも日本軍の飛行場がありました。現在はアメリカ海兵隊の飛行場になっています。


1950年に撮影された写真。慰霊碑「ひめゆりの塔」に花輪を捧げる沖縄の若者。前方には鳥居、後方には十字架があり、不思議な思いに囚われます。ズームすると、鳥居は恩納村の青年会から奉納されたことが分かります。


首里城近辺の写真。爆撃により、まったく何も残らないほどに破壊しつくされています。世界遺産となり、観光客でにぎわう現在の状況は想像もできません。

沖縄平和学習アーカイブ」にはこのほかにも多数の写真や、6カ国語翻訳された証言が掲載されています。ぜひアクセスしてみてください。(wtnv)