色彩構成と消失点の設定による「単視点指向模型」の制作

今春、卒業いたします。学部4年のナガノマコトです。

学外展に向けて、日替わりで卒業生・修了生がそれぞれの研究内容を紹介しています。
そんなわけで3番手はナガノマコトです。

私、ナガノマコト個人としてはこの1年間で紆余曲折ありましたが、“色彩構成と消失点の設定による「単視点指向模型」の制作”というテーマに落ち着きました。


このテーマを平たく言うと、「絵画や写真と同じように作者が観賞者の視点を想定した空間模型の作り方を編み出します!」という意味です。絵画や写真で作者自身の視点を観賞者に共通のイメージで届けています。ですが空間模型の場合では、様々な角度から見ることで個々人によって異なる印象を抱いてしまうこともあるのではないか?と考えました。そんな動機から、想定されていない角度から見ると違和感を抱いてしまう空間作りの手法を編み出すことで観賞者の視点を示してしまおうではないか!ということになり、そうして完成した模型を“単視点指向模型”と呼ぶことにしました。
この“単視点指向模型”というものは1つの縮小率ではなく、例えば1/20から1/40までの縮小率を同一空間内に取り入れることでパースが強調されています。その結果、奥のほうが狭まるので直方体の空間はピラミッドの天辺を切り落とした形になります。こうして強調された奥行を意識しやすいように3つの異なる奥行にだけ彩度の高い色をを配置し、全体はモノトーンで仕上げました。


今回は目視ではなく空間を図面の状態で正面から見た時のイメージと特定の比率で縮小された一般的な空間を正面から見たイメージを一致させるところまで到達したので、今後は目視も計算に入れた単視点指向模型の制作手法を立てたいなと思っている次第であります。


ナガノマコトでした。