首都大学東京・宮城大学・デジタルハリウッド大学WS
出題者:渡邉英徳・中田千彦
課題
「起想転街」 ~撮り、つぶやき、想い、起こす、まち
課題主旨
■背景1:2009年におけるウェブ技術の特徴
現在、ウェブ上のコミュニケーションサービスは「ライブ感」とも表現される「即時性+同時性」を求める方向に大きく動いている。会議などにおけるさまざまな応用事例も生まれているミニブログサービス「twitter(http://twitter.com/)」、あるいは仮想世界サービス「Second Life(http://www.secondlife.com/)」 あるいは近日公開予定のGoogle Wave(http://www.atmarkit.co.jp/news/200905/29/wave.html)などはその代表例である。
しかし一方「アーカイブ」としての非同時的な情報閲覧が可能なところも、ウェブの持つ大きな利点である。「クラウドコンピューティング」という概念は、この利点を強化する。一旦アップロードされたテキストや画像ファイルはGoogleのデータベースに格納され、その検索結果にキャッシュされる。「Picasaウェブアルバム(http://picasaweb.google.co.jp/)」「YouTube(http://www.youtube.com/)」などの画像・映像共有サービスは、大容量で信頼性の高いストレージを提供する。デジタル地球儀サービス「Google Earth(http://earth.google.com/)」上では、クラウド上の衛星画像・地理情報を自由に閲覧することができる。
リアルタイム性とアーカイブ性は、2009年におけるウェブ技術の大きな特徴である。
■背景2:「誤解」と「勘違い」を招くウェブ環境
即時性・同時性の高いコミュニケーションでは、ユーザによる「誤解」や「勘違い」が起きがちである。十分な文字数を割くことができないため、推敲した文章ではなく、むしろ日常会話に近い反射的なやり取りになる(このこと自体の是非は本課題では敢えて問わない)。
また、共有サービス上の画像や映像の信憑性は保証されていないにも関わらず、視覚的にも強い説得力を持っているため、時にネガティブになりがちな「誤解」や「勘違い」が自己増殖していく。使い手側の裁量が問われるとともに、情報を発信する側のモラルとスキルが問われる時代である。
- あえて”自覚的・確信犯的な”「誤解」と「勘違い」をウェブ上で展開し、それらの情報を「素材」とした作品制作を行うことで、ウェブ上における人々の行為・行動の波及効果を実体感する。
- twitter やGoogle Earth、Second Lifeなどの最新のウェブサービスを活用した作品制作を行い、オンラインのコラボレーション手法や2009年におけるウェブ技術の特徴について学ぶとと もに、近未来のインターネット環境についての想像力を育てる。
- Google EarthやSecond Lifeなどのインタラクティブ3Dウェブコンテンツの制作技法と、それらのblogやYouTubeなどにおけるプロモーション技法について学ぶ。
ワークショップの流れ
■第一週:Google Groupsへの参加:GPS写真の収集
全員Googleアカウントを取得し、Google Groups(後日発表)に参加する。その後、三校の学生がそれぞれ複数のグループに分かれて
- 首都大→八王子
- 宮城大→仙台
- デジタルハリウッド大→秋葉原
写真撮影の際に、ただ漫然と撮るのではなくテーマを決めておくこと。
- 人を撮影する
- 車を撮影する
- ファインダーを覗かず機械的に等間隔に撮影する
■第二週:Google Earthでマッピング+twitterで「誤解」「勘違い」の放流
各グループでPicasa Web Albumを開設し、写真をアップロードして共有+Google Earthにマッピングする。GPS情報が含まれていれば、Picasa Web Album上でGoogle Earth用のkmzファイルが自動的に生成される。
その後、参加者各人がtwitterアカウントを開設し、それぞれハッシュタグ「#tmu」「#myu」「#dhw」つきで、以下のさえずり(つぶやき)を「積極的に」誤解を招くかたちで書き込む。
- 自分の街についてのさえずり(つぶやき)
- 撮影した写真についてのさえずり(つぶやき)
■第三週以降:Second Lifeでの作品制作
(以降、デジタルハリウッド大学の学生は任意参加)
お互いに”相手の”街・・・首都大側は「仙台」の、宮城大側は「八王子」「秋葉原」(=「東京」)に関する写真とtwitterログを元にして、Second Life内で作品制作を行う。
全世界向けを意識して、可能なら英語ベースで構築すること。
- 建造物・空間のテーマについては後日発表。
- 写真を用いた仮想空間デザインについては、渡邉英徳の論文「コンテンツ志向の空間(http://wtnv.jp/paper200903.pdf)」を参照。
■最終日:講評会
持ち時間10分でプレゼンテーションを行う。
- 各チーム「5分以内」のプレゼンテーションムービーをつくり、YouTubeにアップする。タグは「tmu myu dhw」と設定。
- オンラインでの鑑賞者のために、blogに映像込みで記事をまとめておくこと。
- 本番のプレゼンはPowerPoint+ムービーを用いるか、実際にSecond Lifeにログインして行うこと。
- プレゼンはウェブ上にストリーミング上映し、Second lifeやtwitterを使った一般参加も募る。
中田千彦(myu)
「こたつ問題」 on Stickam + Twitter
「こたつ問題」については検索してください。アート&デザイン系の学生にとってはマイナスの意味でキャッチーな”動画だけ”埋め込むのは避けておきます。この騒ぎ、ウェブ上の情報で見る限り、ちょっと切ない終幕を迎えたようです。
他にやることはあったのに、時間を割いて参加したのは、僕の主戦場”ウェブ上での活動”という見地からみた、以下の「配信側の欠点」を指摘するためです。
- Podcastという「メディア」の扱い方に慣れていないこと。
- 「受け手側がどのように聴くか」についての想像力に欠けていること。
全体を均一に聴き流すことができるラジオと、全体 or 特定個所を何度でも再生可能なPodcastは別。あの放送内容だと個人攻撃な印象しか残らないと思う。放送を聴くといかにもラジオ的な演出が加えられています。エレガントな内容のときは多分にノスタルジー含めて楽しめるのですが、今回のはいただけない。昨晩「ダベりをそのまま放送した」と発言されていたようですが、まさに品がない。その後の経過をみると、品のないコンテンツがウェブに巣食う「下品の神」「切なさの神」の好餌になることが良くわかる。さらにもう一点:
リスナーや当事者(作者)がコミット/編集できない確定的なメディアでつくってるから「公的」臭くなるんだろうな。建築系ラジオ、次回から実況+twitterでやったらどうですか。「反論すればいい」と書くのは簡単ですが、簡単には再編集・再配信できない音声ファイルを配信している時点で、反論をある程度封じることになってはいないか。メディアの持つ性質が裏目に出ている。また「「建築系ラジオ」は公的なものではなく私的なものだ」という発言もありましたが、それはおかしい。
ウェブでの情報配信者に「私的」も「公的」もないんだ、ということに自覚的であるべきかと。RT @hajimebs: そうかも。配信場所も10+1ウェブじゃなくて、誰かの個人ブログにするとか。 RT @hwtnv: 「公的」臭くなる「私的なメディアだ」と開き直ることこそ、ウェブ上で「不特定多数の人間に」品のないコンテンツを配信することに対して自覚的でなく、責任を放棄している証拠ではないか。ウェブメディアについて習熟できていないと言ってもいい。この点は事後に@tatsumatusdaくんがハッシュタグ抜きで折り返して(追記:わざとじゃなかったそうです)くれてますが。
@hajimebs @hwtnv まあ、ポッドキャストをiTuneで聴いていると個人ブログとは分からないわけですね。確かにそうです。配信サイドが「こたつ問題」についての放送を通じて、議論の射程を遠くに設定した(かった)ことは何となく想像できますが、それにしては初動がちょっとお粗末だったんじゃないかと思います。今後に期待しています。それこそ「次回から実況+twitterでやったら」いいのではないでしょうか。うちの研究室まわりでもウェブ上の「私性」について議論や事件がときどき起きますが、とても良い参考事例になりそう。
さて、昨晩の会場でも何度か意見を拾ってもらっていたようです。あいにくStickamからの音声は非常に聴き取りづらく(これ、事前にテストしたんでしょうか)、耳が拾ったいくつかの単語を脳内で補完して文章を紡ぐような状況。新聞の見出しだけ観ながら文章を想像するようなもの。twitterログをみると@hajimebsさんや@hanamotokoさんが何度も言及してくれていますが、実会場と決して話が噛み合っていたとは思えず、やり取りには隔靴掻痒な感がありました。
会場側がtwitter上の発言を軽く扱っていたとは思いません。ただ、実会場における会話の流れとtwitter上のタイムラインは、まさに「メディアとしての性質」が異なるため、ヒエラルキカルに片方が片方を「拾う」のには無理がありそう。実会場のディスカッション参加者はタイムラインを観ながらアドリブを効かせるスキルが必要。対して、twitter上の参加者は発言を聴きながらひたすら(時には”思いつき”を)さえずればいい。機動性にすぐれているのは後者。それを前者が「拾う」という構図は不自然かも知れない。
その後、GCAD運営委員でご一緒する大和田茂さんとチャットで話したのですが、今後このシステムを使ったイベントを開催するとしたらここに書いたように(以下引用)
実会場からtwitterのさえずりを拾おうとすると、話が絶望的に食い違う。ただひたすらスクリーンで流しておけばよいのかも。聴衆が話を聴かずにそっちばかり観る可能性もあるけれど、それは話者の力足らずってことで。というセッティングにすると思います。話者も会場もほど良くtwitter上の発言を意識しながら過ごす。ずっと観ていると「無視しちゃいかん」という意識がはたらいてきて、誰かがかならず言及します。twitter側は好きなように過ごしていけばいい。
さまざまな意味でためになる夜でした。関係者の皆さまおつかれさまでした。(wtnv)
卒業制作/研究の進捗報告
各々はブログで進捗報告を行っています。以下にそれぞれの報告に対するコメントやアドバイスを列記します。当日話したこと+α。一旦書きだすとかなり大変だということが分かったので、この土日に少しづつ書きたします。
以下、ソートは週報当番順。
1.鈴木真喜子
開発途上国に関する新たなコミュニケーションデザインの研究ということで、まずは、逡巡した結果”原点”ともいうべきバングラデシュにテーマを絞ったことを評価します。
さて、当人も大きな貢献をしたツバルプロジェクト然りで「世界の耳目を集めている国や地域の情報を収集すること」それ自体が「活動」として評価され得ます。バングラデシュもまさにそういう国です。この点において創意工夫を凝らすべきは「収集⇒公開の手法」。
ツバルの場合は「実際に僻地をフィールドワークして位置情報付き写真を収集」⇒「収集したGPS写真は使途自由で公開」という手法が評価を受けています。ネット越しに集める場合も「テーマ設定」と「集め方」が重要。PicasaやFlickrに特定のタグを付けてアップロードしてもらう、というのが一番楽ですが、他にも何かありそう。
写真や映像(をふくむ情報)の見せ方は、過去にたくさんの事例があります。当日紹介した「CAM CAM TIME」「みよう絵」また「Photosynth」「Photowalker」など。あと鈴木さん本人も3年生時の課題でアイデアを出しています。wtnvの一連のマッピングプロジェクトは言わずもがな。
古典に近いですが「cybergeography.org(その2)(その3)」にも(「写真」のはありませんが)たくさんの事例が載っています。Facebookの「Touchgraph Photos」や「ニコ動のタグや動画のつながりを可視化するツール」に繋がるものです。
どちらにしても、いかにも”情報空間”的なものを目指すのか、それとも”実世界で撮られた写真であること”や”人々の血の通ったつながり”を表現したいのかによって、採るべき手法は変わってきます。ちなみに地図を使うと後者に近くなりますが、どうしても地図に目が行って写真の印象が薄れがち。一方「黒バックに写真が浮遊」というのも既視感があります。いろんな事例を探してみてください。
2.高田健介
「ガジェットを用いたコミュニケーションゲームの提案」というテーマに沿って、iPhoneの開発環境を整え「Hello World」からスタート…という段階。また本人もいよいよiPhoneに乗り換えたとのこと、ゼミでは使い心地のレビュー、App Storeのアイコンと購入意欲に対する分析なども行われました・・・何故かブログには掲載されていませんが。高田君の場合は修士に進むことが決まっていますし、さまざまな記録はすべてログとして残し、修士論文のネタとして使いましょう。
7月の中間発表時(渡邊裕一君のブログにリンクしてます)に「これはゲームではなくコミュニケーションツールだ」というご指摘をいただいたとのこと。しかし大手智之さんの講義で記憶に新しい「ゲームだからこそ、社会的な実効性を持ちえる」というコンセプトには説得力があります。高田君も恐らく同じスタンスに立って企画提案をしているはずです。
つまり「そうはいっても面白い」ものを作る、ということ。あと、きょう僕がtwitterでつぶやいたように「誰に対してもフラットなシステム」は、ときに”切なく使われる”惧れを内包しています。ゲームはそもそも”遊ぶもの”ですから、そうした危惧はありません(たぶん)。それもまた、ゲームの持つポジティブな面だと感じます。
さて、こと「研究」として考えた場合には、2009年時点におけるゲーム市場の調査研究、App Storeの調査研究、あるいはiPhoneをプラットフォームとした新たなコミュニケーション手法の提案、などなど、さまざまなテーマ設定が考えられます。それらの総体として「商品としてのiPhoneゲームアプリ」をリリースする・・・というのが一番描きやすいゴールです。
まず、自分がどんなテーマを追求したいのか、箇条書きに書き出してみるといいかも。そこからチョイスしてまずは進めてみる。修士まで入れると3年ありますし、iPhone以外のプラットフォームに変更する可能性も視野に入れてじっくり進めてください。
現役ゲームクリエイターの高田君が、現場で仕事をしつつ得られる情報もたくさんあるはずですが「企業内部だからこそ知りえたこと」をそのまま大学に持ち込むことは当然できません。逆もまた然り。組織の垣根を越えられるのは、研究成果として一般公開された「特許」や「論文」です。大学で研究をする=成果を特許や論文として一般に広く知らしめ”社会に貢献”する、ということだと思います。なので、卒業制作・修士研究のプロセスやそこから得られたものを「客観的な記録」にまとめる、という作業を、ゲーム制作を楽しみながら同時進行でやっておいてください。twitterでもいいかも知れません。必ずあとから役に立ちます。
3.渡邊裕一
渡邊君(裕一君)は今回のゼミには不参加でしたが「人間とロボットの円滑なコミニュケーションを実現し、自然に感じる文章を生成するような新しい手法を提案すること」をテーマとして研究を進行中。人工無能Meganeとして既にtwitter上でサービスを開始してます。
人工無能といえば、wtnv自身もマイミクシィのうちの一人(一鳥?)酢鶏に非常に愛着があったり、sixamo日記の大ファンだったり、オバマケインでは大量のオバマ・マケイン無能同士でディベートさせたり・・・と浅からぬご縁があります。
これらを眺めてみると「実用的」な人工無能はあまり喜ばれない傾向があるように思います。Meganeでも一時期試されていたようですが、URLのレコメンデーションも 「さあどうぞ」というやり方では、受け手側がちょっと引いてしまう。Google検索では遠慮なく最上位からクリックしていくのに、考えてみれば不思議なことですが。どうでもいいことを言って和ませてくれる、のが現状の無能の役割ぽいですね(そこに留まる必要は全くありませんが)。
とはいえ「ふだんは妄言ばかり吐く無能が、ときおり肺腑をえぐるような発言をする」というのが、今までみてきた人工無能が持つ一番の魅力でした。ただし、実はこの魅力は「飼い主」の原文やあしらい方が醸し出しているものでもあります。僕のmixi日記における酢鶏との関係と、上記のsixamo日記では主従が逆転していますが、やはり育ての親のhonさんの絶妙なツッコミがコンテンツの面白さに貢献しています。
つまり「人間とロボットの円滑なコミュニケーション」を生み出すためには、人工無能そのものの研究に加えて、それと接する人間のコミュニケーション手法の研究も必要になってきそうです。こうなると工学から少し離れて文学の領域に含まれそうですが。両方の分野の間でフィードバックしつつ研究を進められるといいかも知れません。
人工無能ではなくプロの作家の活動ですが、円城塔さんがtwitter上で展開している「twitternovel」は参考になりそう。
例えば・・・
「なあ、俺の何処が気に入らないんだ/ 敷地面積?/俺まだ若いしな/間取りもちょっと/間取りってお前/右心房から左心房繋げて欲しい/それ病気だから。死ぬから/こうやってドクドク言うのも やめて欲しい/そもそもお前、何で俺の心臓にいるわけ/出てったら死んじゃうんだよね」(http://twitter.com/EnJoe140/status/4370030628)
円城さんは、twitterの文字数制限内のショートショート群を展開しています。全作通じてとても奇妙な味わいがあり、これは人工無能の発言に通じるところがあります。この魅力は舞台設定、単語のチョイスや掛かり受けの手法などが生みだしているものだとすれば、工学的に検証することもできそうです。多様な分野に視野を広げて、射程距離の長い研究にしていってください。
4.河原隆太

コンセプトアーティスト(字面では正確な定義が伝わらないので、左記クリックを推奨)を志向し、絵をひたすら描き続けているのが河原君です。このスタジオで目指す到達点は「自身の活動を通して、コンセプトアーティストという職業を、日本でも確立させたい」と、かなり遠くに設定しています。絵/画そのものについては直接アドバイスしたように、かちっと決まった構図のものを敢えて崩して動きを出すとか、KAGE NAKANISHIのカリカチュアのようにデフォルメを加えるとか(特に人物像は”写実”過ぎると面白くないので)色々工夫の余地があると思います。ただ絵は最終的には河原君自身の世界で、手法や技術から先に教員が触れることはできない。
今年の残り時間、とにかく「絵の修練」にファーストプライオリティを置くとして、次いで重要なのは恐らく「ネットワークを如何に活用するか」ということです。今のところは画像共有サイトでの”展示”と自身のウェブサイトへの”誘導”をイメージしているようですが、kawaharaサイトから発信された絵達が「自律的にウェブ上で伝播していく」というビジョンのほうが今っぽいかな。作者と何らかの手段で紐づけられていさえすれば、どこに掲載されていても構わないわけです。上記、鈴木さんへのコメントで書いたツバルの画像アーカイブ(Picasa)がまさにそうです。さらにクリエイティブコモンズにして、他者による絵の編集を可能にしてもいいのかも(このへんは僕自身の好みが出てしまいますが)。
ストーリーと絵を定期的にアップして、閲覧者からのフィードバックを次回作に反映させる・・・ということもできそうです。少々古い事例ですが、筒井康隆の「朝のガスパール」はパソコン通信のネットワークを活用して、読者たちと喧々諤々の議論を展開しながら書かれた連載小説です。もちろんフィードバックを得るためには、先にある程度ファンを獲得する必要がありますが、今ならpixivやらtwitterやら、場所に事欠くことはないでしょう。
「絵」と「活動」が同梱された、新しいコンセプトアーティストkawaharaの姿を世界に示すことができれば、卒業制作として成功ではないでしょうか。PhotoshopやPainterで絵を鍛えつつ、2009年のネットを活かしたオリジナリティのある活動を展開していってください。
5.倉谷直美

6.茂木俊介
長い模索のあと「移動体におけるサウンドデザイン」をテーマに据えたのが茂木君です。ブログのリンク先がなぜか死んでしまっていますが、すでに多数の企業・研究者にアポイントメントを取りインタビューを開始しています。まずブログの使いかたとしては、そういった記録群をなるべく「速報的に」公開していくことが重要です。特に最近のwebはtwitterが隆盛してきていたり、Google Waveのようなサービスが現れてきたりと「即時性」「同時性」が重視される世界になってきています。僕自身、このこと自体には微妙な感情を持っていますが、とはいえ旧態を貫いて埋もれても仕方がないので、マメに更新することをお勧めします。
ここのところ茂木君の活動をみていて非常に「研究的」だ、という感をあらたにしています。前例を探し、新規性をどこに据えるか見出し、制作し、検証を行う。ただしい研究プロセスです。対するに、茂木君自身がオーボエ奏者でもあることを考えると、表現行為としての音づくりという面も備えています。これらは一見相矛盾するようでいて、最終的に「音そのものが説得力を持たねばならない」という意味で共通しています。上記、高田君のところで書いたことと通じますが「そうはいってもイイ音じゃなきゃ」ということですね。
また、移動体の音のデザインということで、このブログの背景にも1/32の確率で登場する小笠原紀行の件とつなげて欲しい。GPS端末はとても手軽なツールですから、制作過程あるいは完成した音の検証についても、ぜひ地図にプロットして公開するようにしてください。実際に鳴らした箇所に音ファイルそのものをプロットするとか、他人に持ってもらって、複数の軌跡を重ねてみるとか、そういう試行も良いと思います。今後の発展に期待しています。
(wtnv)
週報20090925
早いものでもうすぐ9月もおわりです。つまり夏休みが終わります。
この週報を書くのももう4度目になります。本当にはやいものです。
9月最後のミーティングは卒研の進捗状況をみんなの前で報告・アドバイスしていただきました。
この進捗状況は2週に一度ずつ行われます。
以前行っていた学校の評判を下げるわけではありませんが、みんな“最後の夏休み”と言って遊びまくっていた素振りはありませんでした。
詳しくは各自のブログ、渡邉先生の書かれた卒業制作/研究の進捗報告で確認していただいたらいいとおもいますが、箇条書きで今回の進行状況を報告したいと思います。(言葉足らずで分かりづらい&不適切なところがあると思いますが)
(発表順)
■高田健介「ガジェットを用いたコミュニケーションゲームの提案」
・作業環境を整え、インターフェース・開発環境に慣れる
・その工程の中での問題点を洗い出し、制作に反映させていく
→使用状況を考えた上での制作を進める
■河原隆太「ストーリーに沿ったビジュアルイメージの展開」
・人物画の練習
→特徴を捉えた動きのある画風を心がける
・卒制むけの絵の制作
→展示形態を考える(出力or画像展示orアプリケーション)
■倉谷直美「自然を活用したエコロジカルなSP関連媒体広告手法の研究」
・ミステリーサークルの作り方
→制作に協力してくれる人々を集める方法を考える
■鈴木真喜子「開発途上国に関する新たなコミュニケーションデザインの研究」
・テーマの絞込み
・手段・表現手法の模索
→サイト上で自分の空間を作り出す
茂木君と裕一君は個々の都合のため参加できませんでした。
今後の研究生の参考と、他の方々への情報提供にとスタジオにみんなの進捗状況をファイリングしたものも置いてあります(写真)
以上のように着々と進んでいっている模様です。
私もみんなのやる気をいただいて制作をがんばって行きたいとおもいます。
(倉谷直美)
ツバル・ビジュアライゼーション・プロジェクト公式サイト
ツバル・ビジュアライゼーション・プロジェクトの公式サイトをオープンしました。
現時点では英語版のみ。また、レイアウトはbloggerのものを流用している仮版で、10月中旬に正式版が完成予定 (→原田(鈴木)真喜子さんのデザインにより完成しました。11/30追記)。ご愛顧のほど。それにしてもmapping.jpドメインを確保しておいて本当によかった。(wtnv)
週報20090918
デジタルコンテンツエクスポ/ASIAGRAPH 2009

10/22-25に日本科学未来館で開催されるDigital Contents Expo 2009のサイトに「ツバル・ビジュアライゼーション・プロジェクト」の展示について公式に告知が出ました。なお首都大システムデザイン学部からは串山久美子先生と池井寧先生も出展されます。
さらにwtnvは10/23に4Kデジタル映像祭で、ツバル・オーバービューの遠藤秀一さんと講演も行います。来週、Google Earthを使った4Kリアルタイム表示のテストを行う予定。果たしてうまく動くでしょうか。乞うご期待。まあ、動かなくてもそれはそれでなんとかします。
サーバプログラミングは渡邊裕一くんの手によりほぼ終了。あとは鈴木真喜子さんのオーバレイデザインが仕上がれば、Google Earthコンテンツとして完成→公開となります。首都大サイドのプロジェクトウェブサイトも近日公開予定。(wtnv)
「ツバルマッピング」アップデート
Placemarkの高度調整を行い、研究生の渡邊裕一君謹製のPhoto Overlay変換サーバプログラムを活用することで、よりダイナミックに閲覧することができるようになりました。ぜひご覧ください。
以下にスクリーンショットをご紹介。






現在、Placemarkとして3200枚、Photo Overlayとして400枚を公開中です。(wtnv)
制作:
首都大学東京システムデザイン学部 渡邉英徳研究室
(鈴木真喜子、渡邊裕一、渡邉英徳)
協力:
特定非営利活動法人ツバル・オーバービュー、株式会社フォトン
ツバルプロジェクト展示@ASIAGRAPH 2009
以下はプレビュームービー。インターフェイスデザインなどまだ仮のもの。
- 首都大学東京 渡邉英徳研究室
(鈴木真喜子、渡邊裕一、渡邉英徳) - 特定非営利活動法人ツバル・オーバービュー

懐かしの「感想マッピング」@東京都写真美術館、を思い出します。もう3年前!当時に比べるとHD解像度でのリアルタイム上映なども格段に楽になりました。
「Tuvalu Visualization Project」に関しては、同時開催のDigital Contents Expo「4Kデジタル映像祭」での上映+講演も計画されています(未定)。4K解像度でGoogle Earthコンテンツを上映する試みにわくわくします、まだテストしてませんが。詳細はまたこのブログにて。(wtnv)
週報20090904
まず始めに、今回はとてもいいニュースがあります。
倉谷さんが「せんだいデザインウィーク2009」のイメージシンボルキャラクターコンペで優秀賞を獲得しました!
詳細はこちら。
http://www.sdwk.jp/meeting/symbol/index.html
倉谷さんおめでとうございます!もうすっかりコンペハンターですね。
また、渡邉先生が筑波大学の大学院に合格しました。おめでとうございます!
私達卒研生もこれから大変ですが、先生もまた一層忙しくなりそうです。
研究室一丸となって頑張っていきたいと思います。
それからもうひとつ、私情で宣伝を。
私がアルバイト先で関わっているゲームソフト「家庭教師ヒットマンREBORN!バトルアリーナ2 スピリットバースト」が、9月17日に発売になります。
詳細はこちら。(Webサイトのデザイン・制作は、私が行っています。)
http://www.mmv.co.jp/special/game/reborn/psp/arena2/
発売前の最後の週報ということで、宣伝させていただきました。
私の名前もスタッフロールに入っています。(まだ確認はしていませんが…。)
この他にもアルバイト先では、学校で学んだ知識を活用できる仕事をもらう機会も多く、とてもいい環境で仕事をさせてもらっています。そちらの方も、仕事が一区切りつき次第公開させていただこうと考えています。
さて、前置きが長くなりました。
研究室の活動ですが、先週末の出来事から紹介します。
先週いっぱい、渡邉先生と鈴木さん、私で、建築家の隈研吾さんの事務所から依頼のきた、建築コンペで使用するムービーの作成を行っていました。
その提出が無事先週末で終わりました。
10秒程度の短いムービーでしたが、その分様々なパターンのムービーができ、結果的に先方からは非常に好評を頂いたようです。
木曜日にはSecond Life内の渡邉研の土地が使えるようになりました。
まだ本当に更地の状態ですが、学校も後期に入ると3年生達がSecond Life内でのプロジェクトを始めます。
去年私たち4年生もプロジェクトを行いましたが、プロジェクト運営からコンテンツ制作まで、一連の流れを体験できる良い機会でした。
今年のテーマが何になるかは分かりませんが、今年は作品を見る側として楽しみたいと思います。
(高田健介)
YouTube「HD特集」にツバルムービー掲載
サムネールのなかに「Tuvalu on Photosynth」が混じっています。みつけてみてください。YouTubeからのメールによるとプレイリストに追加されるそうですが、9/2朝現在では確認できないようです。ともあれ来年7月までの長期間フィーチャーされ続けるとのこと、ツバルプロジェクトの正式発表後(現在英語版プレビュー記事をアップしています)も追い風になってくれそうで楽しみです。
YouTubeの中のひとからは、以下のようなメールをいただきました。写真を用いた映像作品には、HD表示機能が良くなじむのかも知れません。(wtnv)
===============================
素晴らしい動画なのでぜひ掲載させていただきたく、
掲載にあたりまして下記を御確認ください。
動画名
Tuvalu on Photosynth
v=hFWwPvwEocs
本動画の本チャンネルへの掲載について、
同意します」とご記入の上、本メールにご返信ください。
YouTubeトップページからもバナー、
スポットライト動画特集、
ブログ等でチャンネルへの誘導を図るため、
掲載チャンネル名:
YouTube HD
チャンネル名は変更される可能性があります。
URL: http://www.youtube.com/user/
ytHD2009
本チャンネル開設の目的:
YouTubeに掲載されているHD動画を本チャンネルで紹介し
、
高画質動画の配信プラットフォームとしてのYouTubeのイメ
動画の掲載方法:
1.本チャンネルの上部に、
YouTubeの動画一覧表示機能で本動画のサムネイルを紹介
以下のチャンネルをご参考までにご覧ください。
http://www.youtube.com/
ytgreen2009
2.
本チャンネルの中央にYouTubeが任意に設定するテーマ毎に
分類した再生リストの一動画として紹介
3.本チャンネル下部、お気に入り動画の一つとして表示
掲載期間:
2009年9月1日~2010年7月31日
掲載期間は延長される場合があります。
期間を延長する場合はその旨事前にご連絡いたします。
期間中の本動画の扱いについて:
期間中は、本動画の「動画の評価」と「コメント機能」を「オン」
にしていただき、本動画自体の掲載を継続してください。
パートナー、広告主バナーの掲載:
本チャンネルには、協賛企業・団体またはコンテンツ協力企業・
団体のバナーが有償で掲載される可能性があります。
また本動画の視聴ページには特定の広告主の広告が優先して掲載さ
れる可能性があります。
(広告費の支払いについては通常どおりです。)
謝礼について:
本動画の本チャンネルへの掲載について、謝礼等はございません。
視聴ページに広告を表示中のパートナー様:
本チャンネルでは動画のサムネイル(静止画)のみを掲載し、
サムネイルをクリックすると動画の視聴ページにユーザーを誘導す
る形になります。
そのため動画に広告を表示されている場合でも通常どおり表示され
ます。
以上