当時,宮城大とのワークショップ(建築系ラジオ収録回)などで多用していたNikkeiBP SIM(現存せず)に建造されました.建築内部まで詳細に再現されています.アバターのスケールが対人間比で大きめなのと,カメラの視点が高いため,実際以上に狭さが強調される感覚がありました.画像のうち,下はエントランスホールのものです.カプセル内部にはカメラが入り込めないほど狭かった.
当時はアーカイブズの世界に触れて日が浅く,「精確に再現することに意味があるのか」という疑問が常につきまといました.また自身が,仮想空間ならではの建築デザインメソッドとして「コンテンツ志向の空間」を提唱し,多数の空間コンテンツをつくっていたこともあり,「仮想空間の特性を活かした,中銀カプセルタワーのコンセプトの再現」という課題を学生に課したことをおもいだします.できあがった作品群はこちら.興味のあるかたは覗いてみてください.当時三年生だった学生たち,既に卒業し,あるいは修士二年生になりました.
ついでに,当時発表されて間もないPhotosynthを使い,写真から多次元的空間を生成するこころみも行いました.そういえばPhotosynth,いつのまにかパノラマ生成ツールとしての側面が強調されるようになっており,ちょっと残念.本来は下記のようなことができるツールです.
一連のアーカイブズプロジェクトを経た今では,過去に撮影された写真を大量に収集してPhotosynthに掛け,時空間を超えた仮想空間モデルを生成する,などなど,いろいろとアイデアが湧きます.後期には,三年生対象のSecond Lifeワークショップをおこなう予定なので,またいくつか実験してみたいと思います.(wtnv)