週報20120615



学部4年の佐久間亮介です。



今週は、渡邊准教授が都産業技術研究センターでの講演があるため、学部生のみでのゼミでした。

ゼミはいつもどおり11:00から行われ(お菓子ぼりぼり食いながらってこと以外はいつもどおり)、各自の卒業研究の進捗報告とそれに対する意見の交換が2時間ほどノンストップで続きました(お菓子もノンストップ)。





初の記事投稿なので自己紹介も兼ねて、私の卒業研究について書いていこうかと思っております。





「ポスト3.11においてフクシマが抱える諸問題に対する理解の促進方法」が私の研究テーマです。



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私は福島生まれです。



生まれてから高校卒業まで暮らしていた田村市の船引町という場所は原発40km圏内にあり、震災後の福島を、東京にいながらも他人事とは思えない状態で見ていました。



しかし、だからといって私は「放射能の危険性」とか「原発反対」だとか、ましてや「原発推進」ということを強く叫びたいってわけじゃありません。



原発問題が複雑になり過ぎ、「それっぽい」データによって煽動され、多くの人が感情だけをぶちまけてしまっている状況のほうが問題なんだと思うんです。



健康被害による放射能被害は実際にあると思います(未知数ですが)。

しかし、「煽動された結果の感情のぶちまけ」が起こることで苦しめられる人々がいて、その人々が追いつめられていくような二次被害は避けるべき出来事のはずです。



純粋に、色眼鏡をかけずに「福島」を見つめ、「福島」を考えてもらう機会を増やすコト自体が、今の福島が抱える諸問題のひとつの解決策であると考え、私は今回の研究テーマを選びました。

むやみに騒いだり、煽動に流されないための理解をつくりたいんです。





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今回の研究の具体策として、ネットワーク時代の教育におけるタブレット活用に着眼しています。





宮台真司氏の著書の中で、"先進国では唯一「国家が」教科書内容に介入する日本の教科書検定制度において、学習指導要領を越える記述が教科書に盛り込まれることを、文科省自身が制約してきた厳然たる事実があります。だから、先進各国と比べて日本の義務教育課程の教科書だけが、極端に薄っぺらいのです。"(『日本の難点』p72より)という日本教育の問題点が述べられています。



これまでの日本の教育においては教科書検定が大きな問題として存在しており、教育内容を制限してきました。

しかし、タブレット機器が教育機関に導入されることで、教育環境はドラスティックに変わる可能性があります。



既に国内の教育機関でもタブレット導入事例は増えており、例えば、甲府市・山梨英和中学校では2012年度より生徒1人1台のiPadを活用した学習の展開を開始しています(参考記事:http://www.kknews.co.jp/maruti/news/2012/0402_3b.html



iPadなどのタブレット機器が教育に導入されることで、制限された教科書の世界から、無制限に広がるネットワーク、アプリの世界がつながることになります。

当然、その中で一定の公平な目線による制約は必要ですが、優れた教育アプリが無料で公開されているのであれば、それが導入される可能性は十分にあると思うのです。

個人が教育アプリを制作し、それが地域単位でか、学校単位でか、もしかしたら授業単位の小さな規模でかもしれませんが、リアルの教育現場で使用されるという出来事はこれから少しずつ増えていくはずです。







おそらく、教科書検定を経た教科書の「東日本大震災と原発問題」の章に載っている内容は、「○○万人の犠牲者を」「○○Svが福島を中心に」といった規模を表す数字の羅列たちで完結してしまうことでしょう(現に、阪神淡路大震災の章はその程度だったはずです)。



しかし、タブレット用の教育アプリケーションを開発することで、どこかの教室で「福島」について理解を深めてもらい、現代の出来事を身近でよりリアルな問題として感じてもらうことは可能なはずです。



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写真もなく、文字ばかりの記事で申し訳ありませんが、以上のような事柄が私の研究テーマです。



実は、来年も学部四年を続けることが決定しているので、この研究テーマは残り一年半つづけることになっています(留年ってやつです)。

他人よりも多くの時間を研究に使うことが出来るので、意欲的に研究に取り組み、納得のいく成果物を制作していきたいと思っております。





私事ばかりの内容でしたが、週報ってこんな感じでいいんでしょうか?

来週もお楽しみに。

(佐久間亮介) ... 今週は渡邉が代理投稿しています