運行情報アーカイブを用いた鉄道運行状況のビジュアライゼーション



こんにちは、B4の井上洋希です!

今回は、私の卒業研究についてご紹介いたします。

研究テーマは「運行情報アーカイブを用いた鉄道運行状況のビジュアライゼーション」です。



社会を支える交通機関として鉄道がありますが、人身事故や設備故障などをはじめとする様々なトラブルで電車が止まってしまい、多くの人に影響を与えることが度々あります。そのため、ニュースやTwitterなど様々なメディアで、鉄道の運行情報をリアルタイムに伝える取り組みが行われています。

しかし、これらには、「今現在」の運行情報しかわからないという欠点があります。過去に発生してきた膨大な数の運行情報データはありますが、その有用性や活用には十分目が向けられていないのではないかと考えています。

これらのデータを分析することで、いつどこでどんなトラブルが発生し、どれくらい影響が広がるのか、復旧にどれくらい時間がかかるのか、といったことが見えてくるので、過去の運行情報から知見を得て、未来に向けて活用することができるようになります。

そこで本研究を(院含め)3年間かけて取り組む研究とし、まず1年目では、鉄道トラブルの発生について、3Dデジタル地球儀上にて可視化を行うことにしました。

「駅すぱあとAPI」を用いて運行情報を取得し、蓄積データに対し処理を行いました。また、「国土数値情報」を基に、全国の路線データや駅のデータを作成しました。これらのデータを、「Cesium」というWebブラウザ上で動作する地球儀上で可視化していきます。

以下の画面が、2015年6月分の運行情報の可視化の結果です。マーカーの高さは時間、色は原因の種類を表しています。



これを見ているだけでも、興味深い考察がいろいろ考えられそうです。

本研究により、運行情報データを有効活用することができ、鉄道事業者や自治体の課題発見ツールとして活用するなど、様々な場面で役立つことが期待されます。

以下の日程で開催される展示会で作品を展示していますので、ご興味のある方は是非ご来場いただき、作品をご覧いただけますと幸いです。

_____________________________________________________
ネットワークデザインスタジオ 卒業・修了制作展 2016
2016.2.12(fri) - 15(mon)
ICHIY GALLERY
〒107-0062 東京都港区南青山2-11-14イチーズビル3階
2/13(土曜日)夜にレセプションパーティーを行います。(参加費無料)