20140205

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ヒューマンエラーを低減する記憶術活用の為のアクセサリー

初めまして、本年度よりネットワークデザインスタジオの所属となりました三枝と申します。
学内展開催に伴い、当方の研究内容をご報告致します。

研究の目的

日常のタスク消化過程で発生するヒューマンエラーの原因のひとつに、スケジュールやタスクの記憶違い、あるいは物忘れが挙げられます。これらのエラーに対する既存の対処方法は、メモを残す、カレンダーに予定を記す等の方法です。つまりこれらのツールの主な目的は確実な情報を保持し確認によって正確な情報を得る事であって、記憶する事ではありません。
加えて、昨今はこれらのツールのデジタル化が進んでいます。場所を問わず閲覧が可能な他、マインド機能を設定する等の便利な機能が備わっており、一層記録への依存を高めかねません。
本研究の目的は、これまでのツールでは網羅できていなかった、タスクやスケジュールを記憶する為の支援ツールの制作によってヒューマンエラーを防止する事です。


手法

記憶定着に重要なポイントとして「視覚的な刺激を与える事」「情報同志の論理的な繋がり」「情報同志の論理的な繋がりに対する熟慮、あるいは認識」「情報同志の繋がりの具体的な構造」が挙げられます。つまり、記憶したいスケジュールやタスクの構造を再確認しつつ、視覚的に把握する事により理解と記憶定着を支援する事ができると私は考え、以下のツールを作成致しました。



効果の検証

本支援ツールは、イラストとして描かれた様々なモチーフを記憶のペグに設定する作業によって、スケジュールやタスクの把握と記憶を促すものです。モチーフには記憶術の実行過程を観察する予備実験から得られたデータを元に選出しています。
試作品を実際に使用してもらったところ、記憶定着効果はあるものの、ペグの制作作業、つまりモチーフと記憶したい内容の関連付けに労力を要する事が分かりました。また、モチーフのパターンの不足に対する指摘を得ました。


得られた結果

記憶術は元来、膨大な情報を丸暗記する為の技術です。本研究は既存の記憶定着技術をサーベイし、更に実験を行う事によって、スケジュールやタスクの管理を補助する事に特化した記憶術の為の必要条件をいくつか挙げる事に成功しました。
実行の困難さや応用の困難さ等の課題は残りますが、これらを解消する事ができれば、思い違いや記憶違いを原因とするヒューマンエラーに悩まされている人々に対し、新たな解決方法を提示する事ができると私は考えています。



後輩の皆様へ

インダストリアルアートコースはどんな人物を育てあげる学部なのか、6年も過ごしたくせに私には正直未だによく分かりません。あまりにもいろんな人物が育っているように思えるからです。研究テーマをとんでもなく自由に決めさせて貰えるところにも、その性格が表れているかもしれません。

この学部で学び、どのジャンルのスタジオに入ったからと言って、どんな人間になれる、という事はあまり無いように思います。私の経験だけを振り返っての話ですが、先生方や環境は惜しみなく学生の成長を助けてはくれど、この道を行けと進む先を示して狭めるものではありませんでした。

今後どう生きてゆくのか悩んで居たり不安になっている方もいらっしゃるかもしれませんが、スタジオや分野、あるいはもしかすると職業の選択すら結局、自分の中にある何がしかをどんな毛色で表出するかというだけの話なのかもしれません。
目の前の選択肢の先に何があるのか推し量り、ちょっと計算なんかしてみたりするのも大事な事ですが、自分は何者なのか、何がしたいのか、何が好きで何が嫌いなのか、自分の本心の声をちゃんと聞き続けていれば、ちゃんと自分で気に入れる自分に落ち着ける

ほど世の中甘くはないのでしょうけれど、そこまで間違った事は言っていないと思います。思いたいです。
自分に正直に、インダスをよりいっそうわけわかんない学部にして下さい。

それでは、失礼いたしました。
お読み下さりありがとうございます。