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【号外 週報171022】アジア地域の防災リーダーたちと学んだウルルン滞在記

こんにちは!M1の福井です。10月に入って急に寒くなったり猛烈な台風がくるなど近年は私たちの想像をはるかに超える気候変動や災害が発生しています。今回、号外版ということで私が先日約2週間参加してきた防災教育育成プロジェクト「HANDs!プロジェクト2017」について書きます。

HANDs!プロジェクトって?

HANDs!のプロジェクトとは、hope and dreamの頭文字をとったものである。アジア9ヵ国(フィリピン・インドネシア・タイ・インド・マレーシア・ミャンマー・ネパール・カンボジア・日本)から防災や環境に関して普段から取り組んでいる21~33歳までの合計26人(以下、フェロー)が、防災教育・環境問題・復興問題について考え、次の時代の"防災"を背負って立つ人を育成するプロジェクトである。
今回は、第1期としてフィリピン(5日間)と日本(5日間)を訪れ、フィリピン研修ではデザイン思考・システム思考などプロジェクトの立ち上げ方やプロトタイプの作成、日本研修では東日本大震災の被災地を訪れ、学校現場での防災教育のあり方や地域コミュニティの作り方などを学ぶ研修であった。第2期は、来年2月に行われるインドネシア研修(1週間)が行われる。参加するフェローたちは、この2回の研修を経て、アクションプランを作成し、来年1年間かけてアクションプランを実行するものとなっている。

中学生たちと共に学んでいったフィリピン研修

フィリピンの首都マニアから1時間以上車を走らせてついた先が、今回の研修地マキリン山。フィリピンは熱帯地域であり、降り立った時から、日本でいう6月の梅雨以上の湿気がありジメッとしたところで、1日に1回スコールといった短時間の激しい雨が降る。フィリピンは排水処理が整備されておらず、この雨によって浸水したり山の方では、土砂崩れが発生するなど災害の被害も多い地域である。
フィリピン研修では、主に「デザイン思考」「システム思考」「風・土・水の人」の作り方を学習し、フェローたちだけでなく、PHSA(フィリピン芸術学校)というデザイン・ダンス・文学などを専門に学ぶ中学2年生たちも一緒に参加し学んでいった。

それぞれの関係者を巻き込んでいく「風・土・水」の理論
 風の人:新たなアイデアやイベントを運んでくる「種」を生むNPOなど
 水の人:風が運んできた「種」を地域に根付かせる学校の先生など
 土の人:その種を大きくするために必要な地域住民の人たち
世界や社会など全体を俯瞰していきながら課題解決する「システム思考」
個を中心に考えていき課題解決する「デザイン思考」

それぞれのアドバイザーからのレクチャーを受けながら、フェローたちと生徒たちをミックスさせたグループを作り、「防災教育・環境問題・食の問題」の3つの中から自分たちで課題を選択し、プロトタイプを作っていく。プロトタイプ作成にあたり、地域の現状や課題を出していく「ブレインストーミング」、「フィールドワーク」を行うなど1つずつステップを踏んで行っていった。

私の班は、防災教育で生徒たちがより楽しく、そして記憶に残るような防災教育プログラムをゲーム要素を取り入れて作成した。
「みんな、防災には興味は持っているけど、いつも同じことばかりやっていて、つまらなくて記憶に残ってないとおもう」(一緒なグループにいた生徒の声)
この発言は印象的だった。日本の学校現場でも、地震や火災に揃えて避難訓練が行われているが、毎回同じ内容の繰り返しでリアリティもない。日本では、災害が多く発生しているなかで生徒たちが避難訓練のなかで何か得ることがないと意味がないとおもう。そのなかで、防災の知識を学びながら、質問に答えてポイントを貯めていくといったゲーム要素を取り入れたプロトタイプを作成した。実際、成果発表会が行われたが、この作品に対するアドバイスや効果・検証のところまで本研修で実現できなかったことは非常に残念であった。この作品を使って、生徒たちがどのように感じるのか聞きたかったところである。

フィリピン研修は朝から夜まで、レクチャーを聞きながら活動を行ってきた。全て英語でのレクチャーは内容を理解することに苦しんだが、フェローのサポートもあり内容を理解しながら進めることができた。また、フェローたちだけでなく生徒たちの意見も驚かさせるものもあったり、進んでプロトタイプ制作に励んでくれるなど様々な面で刺激を受けた研修であった。


子供向け防災教育プログラム「いざ!カエルキャラバン!」

フィリピン研修が終わり、次は日本研修へ!
日本研修は、東京では子供向け防災教育プログラム「いざ、カエルキャラバン!」の視察を経て、東日本大震災で大きな被害をもたらした仙台・石巻の被災地を訪問し、津波の被害に遭ったなかで、生徒たちが学校の屋上に避難した仙台市立荒浜小学校を見学するなど地域の人々のコミュニティに視点をあてた研修であった。

「いざカエルキャラバン」は主に神戸で活動されているNPO法人プラスアーツの子どもを対象にした防災教育プログラムである。今回、代表の永田さんから設立経緯やどのようなプログラムを行っているのか講義を受け、実際に豊洲で行われているイベントの視察を行った。視察を行い感じたことは、NPOのスタッフ運営を行うのではなく、事前に地域の方はじめレクチャーを行い、地域の方が運営を行っていることである。スタッフが事前に丁寧にレクチャーを行うことで、どこの地域でも実施できるような仕組みとなっている。プログラムは、AEDの講習や瓦礫に挟まった人を救出する方法など、子どもたちでも取り組めるような内容となっている。また、様々なプログラムを体験することでシールをもらい集めたシールをおもちゃと交換でき最後にオークションに参加できるなど、子どもたちにも楽しんでもらいながら、防災を学べる仕組み作りとなっている。外国のフェローたちも子どもたちにまじり、一緒にプログラムに参加していた。普段から知っていることではあるが、言葉だけで教えられるのではなく、体を使って体験させることでより理解も深まるのではないかと感じた。この「いざカエルキャラバン」は日本だけでなく、カンボジアやインドネシアなど海外も実践されており、それぞれの国でカエルキャラバンを活用した防災教育が行われている。

津波の被害を今も残している仙台市立荒浜小学校

仙台へ移動し、東日本大震災で津波によって家が流された地区を訪れ、そのなかで生徒や避難した地域の人たちが、校長先生の指示で全員学校の屋上に避難したことで助かった仙台市立荒浜小学校を訪問した。震災から6年がたった今でも、この学校は行政によって当時の状況を残したままになっている。この学校は、海から700mのところにあり、地震発生から1時間後に津波がやってきたのではと推測されている。学校は、4階建てであり津波は2階の天井付近まできたといわれている。1階は、津波によって車や瓦礫などが流されてきた写真が掲示され、教室もそのままの形となっている。4階には、校長先生や地域住民の方の当時の証言や津波様子などを映像を見ることができる。外国のフェローたちの中には、映像を見て涙を流す様子も見られた。この学校では、地域住民の方の強い願いもありこの学校を残そうという動きが見られました。多くの方に見てもらえるよう、当時の震災の記録も残しつつデザインされた施設である。
「震災で被害にあった建物を壊すのではなく、被害の記録を残していくことで後世に繋げていくことも防災なのではないか」(外国のフェローより)
被害にあった建物は壊されることも多いが、荒浜小学校のように地域住民の方の願いによって残されている建物など、このような建物は非常に大切なものであり、これからを生きていく私たちに語り継いでいかなければいけないと感じたところであった。

被災地の現状

自分にとって、初めての被災地訪問は想像を超えるものであった。石巻市では、津波によって多くの建物が流された。今回、訪問した石巻市の漁港付近を地元の方に案内していただいたが、漁港の付近は震災前は住宅や病院があったそうだ。しかし、津波によって流されこの地区は震災慰霊公園が作られるところや今後も土地活用が決まってなかったりといった問題も起きている。この地域は6mの津波がきたこともあり、海岸付近には7mの防波堤が作られており、石巻の綺麗な海岸風景を市内からは遮ってしまっているなど、津波によって大きく町が変わってしまうことを感じた。写真にあるように、港から少し離れた高台にマンションが建てられ、屋上には津波避難ビルと同じように津波がきた時に避難する場所となっている。震災から6年が経つが、現在も復興は進んでいるが地域に応じて問題もあり、なかなか復興が進んでいない地域もあることを今回の訪問で知った。

世界観が変わった10日間



10日間2カ国で研修を行ってきたが、アジアの様々な専門家たちと一緒に意見交換しながら活動を共にできたことは、自分のなかで新しい発見や価値観が生まれた貴重な体験となった。10日間で様々なものを詰込んだ研修であったが、どうやってプログラムを作っていくか、ただやるだけでなく論理的にも考えながら行うといったプロセスを踏まえてやっていくことが大切だと考えさせられたものだった。今回教わったことを一旦整理し、あの時何をやったのか、何を伝えたかったのかきちんと整理することで、自分の今後の修士研究や様々な生活場面において生かして生きたい。
英語でのコミュニケーションは英語を理解することに必死で、議論に参加することも難しかった。これから日々勉強して、次回の研修の時には自分の意見も言えるよう頑張りたい。ただ、自分の思ってた以上に人に思いが伝わることもあり嬉しいこともあったが、改めて自分の英語能力を痛感させられた。そんななか、フェローたちは私に優しく教えてくれたりフレンドリーに接してくれた。本当に10日間通じて人気者であった。本当に感謝している、ありがとう!
また、フィリピンの生徒たちにも黄色い声援を5日間受けたことは、本当に誇りであり、自分がここまでモテたことは多分ないとおもう。研修は大変だったが、彼らがいてくれたことで毎日楽しい時間を過ごすことができた。別れるのが辛かったほどだ、このモテさが、日本に帰っていかせることができればいいのだが•••

何はともあれ、様々なことを学んだので、来年のインドネシア研修やアクションプランに向けて、また気持ちを切り替えてがんばるばかりです。


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東京大学大学院への移籍のお知らせ

2018年4月1日より,指導教員の渡邉英徳は東京大学大学院情報学環の教授に着任いたしました。首都大学東京の客員教授も兼務します。これに伴い,渡邉英徳研究室も東京大学大学院に移籍いたします。首都大学東京での研究は,今後も継承する予定です。これまでご支援いただいたみなさま,本当にありがとうございました。

教員プロフィール首都大学東京学生の業績一覧学生の週報ログ

「ツバル・ビジュアライゼーション・プロジェクト」のコンテンツをアップデート

2009年に最初のバージョンを公開し,第13回文化庁メディア芸術祭で審査委員会推薦作品に選ばれた「ツバル・ビジュアライゼーション・プロジェクト」のコンテンツを更新しました.共同研究パートナーであるNPOツバル・オーバービューの遠藤秀一さんが撮影した,2012年のバイツプ環礁の写真があらたに掲載されています.
ツバル・ビジュアライゼーション・プロジェクトツバルに生きる一万人の人類 以下にスクリーンショットをご紹介.このプロジェクトも三年目に入りました.





現在,遠藤秀一さんと共同で,ポートレートの追加作業をすすめています.こちらも近日中に公開予定です.(wtnv)

バレーボールの練習改善のためのプレー記録の視覚化

こんにちは、学部4年の佐野千秋です。
私は卒業研究で「バレーボールの練習改善のためのプレー記録の視覚化」を行いました。



自身が高校生の頃、プレーのデータをとって選手で共有していたものの、見にくさや情報の少なさからあまりデータを重要だと思う場面がありませんでした。
せっかくデータを利用してるのならばより良いデータ利用方法があるのではないかと思いこの研究をはじめました。
実際に母校である神奈川県立厚木高校のバレーボール部に制作物を使ってもらったり、アンケートをとったりしながら、選手が感じている問題を元にデータ利用の改善を行いました。

主に行った改善は以下3点です。

1つ目はデータ収集内容の改善です。
今までは4つのプレー要素(※1)についてレシーブの精度(※2)のみを記入していましたが、スパイク、サーブはコースの記入欄を新たに加えました。
選手が求める情報を元に収集内容を改善を行い、情報量の充実を図りました。
この改善によって、どのようなコースが効果的なのかが分かるようになります。


※1 バレーボールは大きく分けてスパイク、サーブ、サーブレシーブ、スパイクレシーブの4つのプレー要素があります。
※2 バレーボールではレシーブの精度(=セッターの取りやすいボールかどうか)をA-Eの5段階に分けて表現することがよくあります。

2つ目はデータ入力方法の改善です。私の母校はデータを紙媒体に記録した後、Excelに入力し、印刷したものを選手内で共有していましたが、ある程度時間がかかるため練習試合があるたびに入力するのではなく何日か分をまとめて入力している場面が見受けられました。少しでも入力の煩わしさを軽減するため今までベタ打ちだったものを、Excelのマクロを使うことでクリック入力や、選択式で入力を行えるようにしました。



3つ目は視覚化方法の改善です。
改善の流れとしては、実際に母校の試合のデータを視覚化し、試合後のミーティングで使ってもらいアンケートをとります。その結果を視覚化方法の改善に活かすことで、より選手が見やすい、求めるものに近づけていきました。
視覚化改善は計3回行いました。左が1番最初となっています。
効果的な攻撃が出来ている割合を色、打数を円の大きさで表現するなど選手が直感的に度のコースが効果的なのかが分かるような視覚化方法を用いました。
またアンケートから選手に…

「人間センサー」で災害状況をすばやくつかむ:「台風リアルタイム・ウォッチャー」公開

7月、台風が多発するシーズンに入りました。先週も台風第8号が発生し、沖縄や長野をはじめ、大きな被害が発生しました。私たちの研究チームは、気象庁が発表する台風情報と、多数の人々が発信する災害情報をマッシュアップしたウェブサービス「台風リアルタイム・ウォッチャー:台風情報と「減災リポート」のリアルタイム・マッシュアップ」を公開しました。 人間は、とてもすぐれた"センサー"でもあります。周囲の状況をすみやかに捕捉し、発信する能力を持っています。今回の試みは、こうしたボトムアップの、いわば「人間センサー」で、トップダウンの観測情報を補完しようとするものです。

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「減災リポート」のデータは、前々回の記事で解説した「東日本大震災マスメディア・カバレッジ・マップ」と同様、地面から鉛直方向に時間軸を設定し、時空間的なビジュアライゼーションを施しています。これによって、各地における災害の推移がわかります。 その一例として…

「記憶の解凍」 ARアプリ公開

東京大学大学院情報学環 渡邉英徳研究室は、AI技術を活用してカラー化した“戦前の広島”の白黒写真を、地図・AR(拡張現実)ビューに表示する「記憶の解凍」ARアプリを公開しました。

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本アプリは、渡邉英徳教授とともに活動を進めてきた、広島市在住の庭田杏珠さんとのコラボレーションによって制作されたものです。

アプリダウンロード(無料):
App Store / Google Playにて、キーワード「記憶の解凍」で検索ウェブサイトからダウンロード制作チーム:
原案・カラー化・アプリ作成:渡邉英徳×庭田杏珠考証協力:濱井德三、ヒロシマ・フィールドワーク実行委員会写真提供:濱井德三、今中圭介、緒方昭三、片山曻、諏訪了我(浄寶寺)、高橋久、多田良子、本田美和子、広島県立文書館、広島市公文書館、アメリカ公文書館(撮影:尾木正己)タイトルロゴデザイン:秦那実カラー化技術提供:早稲田大学 石川博研究室平和記念公園(爆心地)街並み復元図提供:中国新聞社

「押韻」の歴史的変遷と現代における「ライミング」活用の架橋

こんにちは、修士2年の岸岡信伍です。
今回は、修士研究の紹介をさせていただきます。

みなさんは「ライミング」という言葉はご存知でしょうか?
あまり身近な言葉ではないかもしれません。
では、「押韻」という言葉はどうでしょう?
「押韻」は「ライミング」を日本語にしたものとされていますがこちらもピンと来ないかもしれません。
一応みなさんは「押韻」を学校教育で漢詩の勉強をするときに一度習っているはずです。
偶数句末で同じ音の漢字が置かれるだとかそういうものです。
「押韻」は“詩歌などで,同一または類似の音韻をもった語を一定の箇所に用いること.韻を踏むこと”とされており漢詩だと「深(しん)」「心(しん)」「金(きん)」「簪(しん)」のような(in)の音で共通するものが韻だということになります。
日本語の場合は
 ・おとな(ooa)
 ・ことば(ooa)
と、(ooa)の母音が共通しているこれらの言葉が韻であり、韻を繰り返し用いることが韻を踏む「押韻」ということになります。
学校で扱う「押韻」が漢詩のみであることからも、韻を踏むという表現は日本の文学ではあまり活用されず顕著な発展をみせていません。
一方、欧米言語で「ライミング」はシェイクスピアの時代にはすでに確立されており、現在の活用の幅は文学だけでなく歌謡曲、童謡、さらに教育とかなり広いものになっています。
ところが、1980年代にヒップホップミュージックが輸入した後、ラップで韻を踏むことを「ライミング」とし、日本語での韻表現は発展していきます。そして現在の日本語ラップでは韻を踏むことは当たり前になっています。
私の研究の目的は、日本で定着しなかった「押韻」と、日本語ラップで当たり前に活用されるようになった「ライミング」を結びつけて論じることです。

このブログでは論文の構成についてざっくり説明させていただきます。

 第2章では、九鬼周造氏の「日本詩の押韻」を主な関連資料としてヒップホップミュージック輸入以前の文学における日本の「押韻」の変遷を辿り、「押韻」を再解釈しました。日本で「押韻」は定着しませんでしたが、文学で活用するための試みは何度かされていきました。「日本詩の押韻」では、日本の「押韻」の歴史的事例と欧米言語の韻表現の事例から、日本語詩における「押韻」発達の可能性と採用のための考慮について論じられています。

 第…

「COVID-19に関するアーカイブ活動の呼びかけ」新型コロナウイルス感染症に関するデジタルアーカイブ研究会

デジタルアーカイブ学会ウェブサイトより転載 「COVID-19に関するアーカイブ活動の呼びかけ」 2020年5月10日
新型コロナウイルス感染症に関するデジタルアーカイブ研究会
現在、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の感染拡大を受けて、社会の各層でさまざまな取り組みが行われています。

あらゆる点において、最も尊重されるのは人命であり、人命を守る医療の維持であることは言うまでもありません。

しかし、COVID-19に向き合うためには、感染症の実相や社会のありさまを正確に記録することも欠かせません。事実、今回のCOVID-19禍において、私たちはこれまでの疫病の歴史、たとえば約100年前のパンデミック「スペインかぜ」の記録などからまなべる点は多々あるはずです。
1918年「スペインかぜ」パンデミックの際に撮影された,アメリカ・カンザス州フォート・ライリーのキャンプ・ファンストン緊急病院のようす。ニューラルネットワークによる自動色付け+手動補正。 pic.twitter.com/7UmHdrs6VR — 渡邉英徳 (@hwtnv) April 22, 2020 しかし今回、過去の疫病の教訓が十分に生かされているとは言えません。今後の社会においてCOVID-19と相対していくためには、歴史に残るであろう現在の社会の状況を、仔細に記録していくことが肝要です。

そこで私たちは、図書館・博物館・自治体・大学・産業など、社会状況の記録に関心を持つみなさんに向けて、いま社会が直面しているCOVID-19に関する「アーカイブ活動の推進」を提案します。たとえば、次のような取り組みが考えられるでしょう。
市民による情報の収集活動を、十分に安全を確保することに留意したうえで、可能な範囲で支援することメディア報道や各種情報発信の内容をアーカイブすること自らの組織(たとえば自治体であれば対策本部等)や地域の記録をアーカイブすること ※アーカイブの手段については、デジタル・アナログを問いません

以上はあくまで例に過ぎません。私たちは、COVID-19に関するアーカイブ活動が本来地域の情報集積のハブである図書館・博物館等を中心として実施されることを切望しています。また、本研究会としても活動への協力を惜しみません。アーカイブ活動に関するご相談をお気軽にお寄せください。

なお本研究会は、デジ…

研究室のリデザインについてご報告

2018年4月に東京大学に移籍後,変更していなかった研究室の内装・レイアウトを刷新しました。デザインはM2の中原くんによるものです。修士論文の執筆で忙しい中,CADを使った立体的なデザインの検討・業者とのやり取りまで,中心になってこなしてくれました。
2年間放置されていた(!)トロフィーも,入口付近に「ほぼ日のアースボール」とともにディスプレイされています。また,これまた無法地帯だった書棚も,研究室メンバーによって整頓され,わかりやすく配置しなおされました。

雑然としていたLiquid Galaxyルームも,再レイアウトされ,使いやすくなりました。現在,Liquid Galaxyは修理手配中ですが,復旧後,特任助教の高田先生らが共同研究を進める場所として,活用されていくことと思います。

作業に取り組んでくれた院生さんたち,什器類の手配・納品・工事をご担当いただいた幸和商事のみなさま,本当にありがとうございました。

女性アイドルの現実と虚構の様相の変化 -メディアの変遷に基づく研究-

こんにちは,B4の増田です!

■卒業研究について
私は,「女性アイドルの現実と虚構の様相の変化 -メディアの変遷に基づく研究」
という研究をしました.


アイドルが好きなので
テーマをアイドルにすることは入学当初から定まっていたのですが,
「大好きなアイドルのために何ができるか」から出発して
現在のテーマに至るまで,B3の後期から約10ヶ月ほどの年月を要しました.

「アイドルのためにコンテンツを作りたい!」

「アイドルとはそもそも何なのか?」

「アイドルにおける現実と虚構の進化が気になる!」

「アイドル単体では全く分からないから,メディアの変遷と照らしあわせよう!」

…という経緯を経て,研究を進めました.


この研究により,アイドルを以下の6つに大別できると考察しました.


①アイドルという概念の再構成と大衆化 ②バラエティー番組への出演に伴う アイドルのキャラクター化 ③歌番組の退化に伴う ライブアイドルの誕生 ④インターネットの普及に伴う ネットアイドルの誕生 ⑤SNSの活性に伴う アイドルによる自己表現の多様化 ⑥AR,VR,AI技術の進化に伴う バーチャルアイドルの定着

です.

この6つに加え,先行研究や今後の展望を述べました.

https://drive.google.com/file/d/1dcFOwxB7qyoVum3DTpWd2C3pKo5uOcd7/view?usp=sharing

こちらから閲覧できますので,ぜひご覧ください.

(個人的には,ネットワーク研の一員として ネットワークについても
 研究できたことが嬉しいです…)


■後輩に向けて
B3の時に「私は切羽詰まった状態で提出日を迎えない!」と誓い
周りより早く卒業研究を始めても,
どんどん深堀りしたくなり 止まらなくなります.

私のようにギリギリにならないよう,取捨選択して生きてください.



そして,論文の場合はとにかく早めに文字に起こしてみてください.

テーマが定まらない場合は,とにかく文献を読み漁ったり
思いつきで何かを経験しに足を動かしたりすることが 後に功を成します.

共に頑張りましょう…

イベント「デジタル時代における戦争体験の継承」を共催します。

東京大学大学院 渡邉英徳研究室は,イベント「デジタル時代における戦争体験の継承」(Yahoo!ニュース主催)を共催します。

日時: 2019年8月8日 18:30〜
会場:ヤフー本社17階「ヤフーロッジ」(定員100人)
入場:無料
主催:Yahoo!ニュース
共催:東京大学大学院 渡邉英徳研究室

お申込みはこちらから

戦後74年が経過し,「戦争体験の風化」が大きな社会課題になりつつあります。

あの時,何が起きていたのか。戦場,空襲といった「戦火」の体験に加えて,市民の体験をもとに,市民の生活に戦争がもたらしたものを見つめることにより,私たちの日々の暮らしが戦争によってどう変わり,何を奪われていくのかについて,実感が深まります。

メディアや研究機関,あるいは若者たちが,デジタルツールを駆使して戦争体験をあつめ,伝え,アーカイブする動きが各地で始まっています。また,アニメやコミックなど,若者が親しみやすい表現で,戦争を伝える試みも,ひろく支持されています。

こうした動きは,デジタル時代だからこそ生まれてきたものです。今回のイベントでは,この動きと力を結びつけ,大きな流れを作りたいと考えています。そのために,NHK,沖縄タイムス,ヤフーなどのメディア,そして市民ベースのボトムアップな活動で,戦争体験の収集・継承の活動をしている人々が一堂に会し,取り組みや成果を報告します。

登壇者
宮坂学(前 ヤフー株式会社 代表取締役社長(予定))NHK「あちこちのすずさん」スタッフ輿那覇里子(沖縄タイムス 記者)渡邉英徳(東京大学 大学院情報学環 教授)庭田杏珠(広島女学院高等学校 生徒)進行:宮本聖二(Yahoo!ニュース プロデューサー/ 立教大学大学院 教授)プログラム

第一部:メディアの取り組み
ネットメディア:宮坂「デジタルによる戦争体験の継承」テレビ:NHK「あちこちのすずさん」新聞:與那覇「沖縄戦デジタルアーカイブ」第二部:市民の取り組み
研究者:渡邉「ヒロシマ・アーカイブと「記憶のコミュニティ」」高校生:庭田「カラー化写真と対話による「記憶の解凍」」第三部:会場との対話

会場では,「記憶の解凍」(庭田杏珠× 渡邉英徳)によるパネル・映像を展示します。