4年生対象の「ネットワークメディアアート演習III」にて、先日のテッド・チャン「あなたの人生の物語」に引き続き、グレッグ・イーガン「順列都市」を題材にしたゼミを行いました。講師の趣味丸出しの先端SFシリーズ。
強烈にアクロバティックな「順列都市」そのものの輪読などを始めてしまうと、それこそ大変なことになるので、この小説の世界観のバックボーンとなる(であろう)グリッド・クラウドなどの例を挙げたあと、上記のように意訳的な資料を配布して「人間の意識をコンピュータネットワーク上でシミュレーションできるようになった近未来を各自で描写せよ」というお題を出しました。
先日同様、90分程度のショートゼミとしては多彩な応えが生まれました。僕自身に、実世界の自分・ウェブ世界の自分双方が重なり合って自我を構成している実感があることからこのお題を出したのですが、すんなりプラグマティックな応えを導き出す学生、お題そのものに拒否反応を示す学生、色々なスタンスがあるようです。
自分の世代よりも寧ろ、この小説の世界観に馴染みやすい人が多いのでは、全員当たり前のようにポジティブな応えを出してくるのでは・・・と感じていたのですが、ある意味予想外の結果に。ただ、ケータイやインターネットよろしく、実際にそのような未来が訪れたらそのまま受け入れちゃうのかも知れません。
当然ながら、各自の人生観、といって大げさならば処世観がそのまま応えになっていました。卒業制作、さらにその先に繋がっていってくれると嬉しく思います。(wtnv)