週報20150706

こんにちは。B4の高田将吾です。
今週は7月4日、5日に長崎研修の模様をお伝えしていきます。


今回の研修の目的は、「ナガサキ・アーカイブ」ワークショップ開催のお手伝いです。

「ナガサキ・アーカイブ」は長崎原爆に関する証言をまとめたデジタルコンテンツです。当プロジェクトは今年で5年目を向かえ、渡邊研究室にとって歴史の長いプロジェクトの一つで、僕らにとっては大学へ入学した時にはすでに始まっていたプロジェクトなんです。

入学当初は、「なんだか、異様にGoogle Earth好きな先生がいるなー」なんて思ったものです。(笑)

そんな、ナガサキ・アーカイブとともに大学生活を過ごしてきたと言っても過言ではない僕ですが、今年はいよいよスタッフとしてプロジェクトへ参加する事になりました。



ワークショップが始まる直前でも、正直僕の気持ちは不安でいっぱいでした。

言ってしまえば、僕らは戦争を知らない世代。「原爆」という言葉が持つ恐ろしさは解っても、そこにリアリティーを感じる事はやっぱり出来ません。

そんな僕が、スタッフとして参加者の方々の前に立って失礼なく接する事が出来るのか、どんな言葉を選べば良いのだろう、そんな不安は解消されないままワークショップは始まってしまいました。

プログラムは、被爆者である永野悦子さんのお話から始まりました。

僕にとって被爆者の方から話を聞くのは初めての経験でした。語り口は優しくともそこから聞こえるのは、想像する事すらためらう情景、突然の家族との別れ、そんな耳を塞ぎたくなるような話でした。

そんな永野さんの話から、原爆の恐ろしさだけでなく平和の大切さもより強く感じる事ができ、僕の中にあったワークショップへの不安は消えました。決して原爆を特別視するのでは無く、自分が思うように自然体で向き合えばいいのだとわかったように感じます。



いよいよ始まったワークショップでは、参加者の方々と一緒に、被爆者の方から伺った証言の中にある場所を、現在の地図と照らし合わせ場所を探っていきます。
そしてその場所に証言を含んだアイコンを配置していきます。

参加者の方々からは、
「自分の通っていた中学校が、軍事施設のあった場所だとは知らなかった。」
「自分の知っている地域が昔は何だったかわかると、一気に現実味が増してくる。」
といった意見がドンドン聞こえてきました。

戦争を知らない僕らは、当時の証言や写真と、今の自分の周りの情報を関連させる事でしか、戦争に対してリアリティーを感じる事が出来ません。
「ナガサキ・アーカイブ」は、現在の地図と、当時の地図を関連付ける事が出来るもので、参加者の方々もそこから「戦争」に対してのリアリティーを感じ取ってもらえていたように思います。

ワークショップを通じて僕自身も、長崎原爆について深く知ることが出来ました。
さらに、いままで見ることが出来なかった渡邊先生の研究の本質についても知ることが出来ました。

先生が終わりのあいさつで言われた言葉がその本質を表していたので今回の週報はその言葉を借りて終わりたいと思います。

------ナガサキ・アーカイブは、Webコンテンツではありません。ここに参加していただいた方、今後参加していただける方、そんな長崎を中心とした人の繋がり、ネットワークこそがナガサキ・アーカイブなのです。


参加者の皆さん、お疲れさまでした。ありがとうございました。