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Showing posts from 2019

SIGGRAPH ASIA 2019のArt Papers採択論文がパブリッシュされました

SIGGRAPH ASIA 2019 Art Gallery/Art PapersのFull Art Papersとして採択された論文が,ACM Digital Libraryにてパブリッシュされました。一年間,無料でダウンロードできます。
Anju Niwata and Hidenori Watanave: "Rebooting Memories": Creating "Flow" and Inheriting Memories from Colorized Photographs; Proc. of SIGGRAPH ASIA 2019 Art Gallery/Art Papers (Full art papers), Article No. 4, 12 pages, 2019. 採択されたのは「記憶の解凍」のコンセプト・活動について報告する論文で,広島の庭田杏珠さんとの共著です。高校生が筆頭著者の論文がSIGGRAPH ASIAに採択された例は,これまでにあまりないはずで,快挙といえそうです。2名のレビュアーの得点は両者とも5.0(満点)。採択率は8編/25編で,約3割でした。


11/19にオーストラリア・ブリスベンで行なわれた「SIGGRAPH ASIA 2019」での口頭発表も好評で,各国から集まった研究者とともに,活発な議論を交わしました。その他の採択論文はこちらからご覧になれます





A Runner-up for the 2019 Jeffrey H. Brodsky Oral History Award at Columbia University

We are happy to announce that Tomoko Hiramoto, a Ph.D candidate of Watanave studio, has been chosen a runner-up for the 2019 Jeffrey H. Brodsky Oral History Award at Columbia University for her master’s thesis “Restoring Testimonies.
OHMA of Columbia University, which is responsible for awarding the Jeffrey H. Brodsky Oral History Award describes Tomoko’s work as follows;
“Tomoko Hiramoto interviewed Hibakusha, survivors of the atomic bomb that destroyed Hiroshima. By comparing the narratives co-produced through an oral history process with hibakusha’s pre-existing public testimonies, she shows the gaps between a public, collective memory and the more intimate, dialogic public memory of an oral history. She expertly situates her findings in the history of public memory about the atomic bomb, both in Japan and internationally, with a focus on American understandings of this event. She not only demonstrates what is obscured in ritualized collective memory, but shows us the specific his…

研究室のリデザインについてご報告

2018年4月に東京大学に移籍後,変更していなかった研究室の内装・レイアウトを刷新しました。デザインはM2の中原くんによるものです。修士論文の執筆で忙しい中,CADを使った立体的なデザインの検討・業者とのやり取りまで,中心になってこなしてくれました。
2年間放置されていた(!)トロフィーも,入口付近に「ほぼ日のアースボール」とともにディスプレイされています。また,これまた無法地帯だった書棚も,研究室メンバーによって整頓され,わかりやすく配置しなおされました。

雑然としていたLiquid Galaxyルームも,再レイアウトされ,使いやすくなりました。現在,Liquid Galaxyは修理手配中ですが,復旧後,特任助教の高田先生らが共同研究を進める場所として,活用されていくことと思います。

作業に取り組んでくれた院生さんたち,什器類の手配・納品・工事をご担当いただいた幸和商事のみなさま,本当にありがとうございました。

TOKYO 2021「慰霊のエンジニアリング」展への出展

9/14〜10/20の会期で開催されるTOKYO 2021「慰霊のエンジニアリング」展に,岩手日報社と共同制作した「忘れない:震災犠牲者の行動記録」を出展しています。


今回の展示では,EndPoint社が開発した大型ディスプレイ「Liquid Galaxy」で上映しています。ご遺族から氏名の公開を承諾していただいたかたについては,氏名をローマ字で表記しています。


会場は東京駅至近の,戸田建設本社ビルです。ぜひ,いらしてください。
TOKYO 2021「慰霊のエンジニアリング」展ウェブサイト https://www.tokyo2021.jp/bizyututen/入場 ウェブサイトより事前登録。※展覧会は2会場で開催されており、うち1つは事前登録なくご覧頂けます。会期 9月14日(土)〜10月20日(日)/火曜定休キュレーション 黒瀬陽平会場構成 西澤徹夫参加作家 会田誠、飴屋法水、磯村暖、宇川直宏、梅沢和木、梅田裕、大山顕、カオス*ラウンジ、カタルシスの岸辺、キュンチョメ、今野勉、たかくらかずき、高山明、竹内公太、寺山修司、中島晴矢、中谷芙二子、名もなき実昌、八谷和彦、檜皮一彦、藤元明、三上晴子、宮下サトシ、山内祥太、弓指寛治、渡邉英徳、Houxu Que、MES、SIDE CORE

「ピース・ニッポン・プロジェクト」日本を未来に伝えるプロジェクトのデジタルアーカイブ・システム公開

東京大学大学院情報学環の渡邉英徳研究室は、映画監督の中野裕之が理事を務める一般社団法人ピース・ニッポン・プロジェクトと共同で、日本の風景を未来に伝えていくデジタルアーカイブ・システムのデジタルマップ・インターフェイスを本日、公開しました。さらに、SNSに写真を投稿することにより、デジタルアース上にマッピングされるサービスをスタートいたします。




2018年に中野裕之監督が制作した映画「ピース・ニッポン」は、東日本大震災以降、日本で撮影された美しい風景の映像アーカイブをもとに構成され、好評を得ています。こうした美しい風景は、写真家や観光客により、日常的に撮影され、記録されつづけています。しかし、普段生活している何気ない場所や、地元だけの名所・商店街などは、注目されません。ひとたび激甚災害が起こると、こうした風景は永遠に失われていきます。

そこで私たちは【日本アーカイ部】と称し、「日常のなかにある風景」の投稿を広く募集するために、簡単に写真を投稿できるシステムを構築しました。また、写真の撮影地が自動的にデジタルアースにマッピングされ、個別の写真の撮影場所を確認できるインターフェイスを用意しました。また、すでに写真・映像のアーカイブを保有している自治体・企業については、専用の投稿アカウントを用意します。既に、広島県福山市が投稿した写真がアーカイブされています。

同時に【日本美景部】と称し、中野裕之監督とスタッフをはじめ、ドローンのパイロットや写真家などプロフェッショナルの協力を得ながら、もっとも美しいタイミングで風景を撮影し、アーカイブしていきます。
公開日: 2019年7月24日主催:一般社団法人PEACE NIPPON PROJECT、東京大学大学院情報学環 渡邉英徳研究室協力: 福山市、特定非営利活動法人 映像産業振興機構(VIPO)、京都駅ビル開発株式会社、ピースデリック有限会社、アクアジオグラフィック株式会社、Edo Wonderland 日光江戸村、ヘキサメディア株式会社、合同会社 日本空撮、株式会社プレスメディア社、株式会社SKEN企画事務所、田中空撮、SahaEntartainmentアーカイブ監修: 東京大学大学院情報学環 教授 渡邉 英徳アーカイブシステム構築: ダーウィン・エデュケーション株式会社サイトデザイン・制作: 株式会社シーエスレポーターズ

「SHINOBAZU WONDER 12」明治アーティストたちの離合聚散 開催中

東京大学大学院情報学環吉見俊哉研究室・渡邉英徳研究室・凸版印刷株式会社は,共同研究成果の発表イベント「Shinobazu Wonder 12 ー明治アーティストの離合聚散ー」を開催します。

会場
旧平櫛田中邸・アトリエ(〒110-0002 東京都台東区上野桜木2-20-3)会期
7月13日 (土) 12:00-17:007月14日 (日) 11:00-17:007月15日 (祝) 11:00-16:00入場:無料

本展では、明治時代のしのばずエリア(上野と本郷を中心とする御徒町・湯島・谷中・根津・千駄木地域)に居を構え、芸術活動に身を投じた個性豊かなワンダーアーティスト12名をご紹介いたします。
上野という美術の戦場(博覧会、展覧会、競技会など)で表現を競い、時に新たな理想を掲げて独立し、「離合聚散」しながら芸術活動を続けた彼らの軌跡をデジタル技術(Liquid Galaxy および AR)を交えてお見せします。しのばずエリアで紡がれた彼らのネットワークや芸術との格闘にまつわる物語を、展示やまち歩きを通してご体験ください。あなただけの「ワンダーアーティスト」を見つける仕掛けを用意して、会場でお待ちしています。どうぞお見逃しなく!

会場で奥原晴湖の作品のほか、本展開催期間中、東京国立博物館総合文化展にて奥原晴湖、加納夏雄、横山大観の作品もご覧いただけます。明治の作家が歩いた道程に思いを馳せながら巡ってみてはいかがですか。

7/13 (土)
13:00-13:30 Liquid Galaxy実演① 不忍今昔物語:不忍弁天島事件簿15:00-15:30 Liquid Galaxy実演② 不忍今昔物語:マネーとアート、と人生7/14 (日)
13:00-13:30 Liquid Galaxy実演③ 不忍今昔物語:骸骨ぞろぞろ15:00-17:00 "Shinobazu Wonder" ARまち歩き(定員に達しました)7/15 (月・祝)
13:00-13:30 Liquid Galaxy実演⓸ 不忍今昔物語:東京大学がやってきた15:00-15:30 Liquid Galaxy実演⓹ 不忍今昔物語:アーティストたちのお引っ越し主催
東京大学大学院情報学環吉見俊哉研究室・渡邉英徳研究室・凸版印刷株式会社 共同研究「しのばず文化情報活用プロジェクト」連絡先
shinoba…

イベント「デジタル時代における戦争体験の継承」を共催します。

東京大学大学院 渡邉英徳研究室は,イベント「デジタル時代における戦争体験の継承」(Yahoo!ニュース主催)を共催します。

日時: 2019年8月8日 18:30〜
会場:ヤフー本社17階「ヤフーロッジ」(定員100人)
入場:無料
主催:Yahoo!ニュース
共催:東京大学大学院 渡邉英徳研究室

お申込みはこちらから

戦後74年が経過し,「戦争体験の風化」が大きな社会課題になりつつあります。

あの時,何が起きていたのか。戦場,空襲といった「戦火」の体験に加えて,市民の体験をもとに,市民の生活に戦争がもたらしたものを見つめることにより,私たちの日々の暮らしが戦争によってどう変わり,何を奪われていくのかについて,実感が深まります。

メディアや研究機関,あるいは若者たちが,デジタルツールを駆使して戦争体験をあつめ,伝え,アーカイブする動きが各地で始まっています。また,アニメやコミックなど,若者が親しみやすい表現で,戦争を伝える試みも,ひろく支持されています。

こうした動きは,デジタル時代だからこそ生まれてきたものです。今回のイベントでは,この動きと力を結びつけ,大きな流れを作りたいと考えています。そのために,NHK,沖縄タイムス,ヤフーなどのメディア,そして市民ベースのボトムアップな活動で,戦争体験の収集・継承の活動をしている人々が一堂に会し,取り組みや成果を報告します。

登壇者
宮坂学(前 ヤフー株式会社 代表取締役社長(予定))NHK「あちこちのすずさん」スタッフ輿那覇里子(沖縄タイムス 記者)渡邉英徳(東京大学 大学院情報学環 教授)庭田杏珠(広島女学院高等学校 生徒)進行:宮本聖二(Yahoo!ニュース プロデューサー/ 立教大学大学院 教授)プログラム

第一部:メディアの取り組み
ネットメディア:宮坂「デジタルによる戦争体験の継承」テレビ:NHK「あちこちのすずさん」新聞:與那覇「沖縄戦デジタルアーカイブ」第二部:市民の取り組み
研究者:渡邉「ヒロシマ・アーカイブと「記憶のコミュニティ」」高校生:庭田「カラー化写真と対話による「記憶の解凍」」第三部:会場との対話

会場では,「記憶の解凍」(庭田杏珠× 渡邉英徳)によるパネル・映像を展示します。

令和元年度 被爆体験継承事業 企画展「ヒロシマの記憶を伝える 〜町と人々の暮らし〜」

広島市立中央図書館で開催される「令和元年度 被爆体験継承事業 企画展「ヒロシマの記憶を伝える 〜町と人々の暮らし〜」」に,「記憶の解凍」(庭田杏珠 × 渡邉英徳)として出展します。

新作のカラー化写真12点と,「ヒロシマ・アーカイブ」・「記憶の解凍」ムービーを展示します。また,7/21(日)には詩人のアーサー・ビナードさんと庭田・渡邉の対談・鼎談も行なわれます。みなさま,ぜひご来場ください。

チラシのPDFはこちらです

被爆体験継承事業 企画展「ヒロシマの記憶を伝える 〜町と人々の暮らし〜」
開催期間:令和元年7月6日(土)〜9月1日(日)会場:広島市立中央図書館 2階 展示ホール(広島市中区基町3番1号)主催:広島市立中央図書館協力:東京大学大学院渡邉英徳研究室、ヒロシマ・フィールドワーク実行委員会、広島平和記念資料館、広島市公文書館、広島市郷土資料館関連イベント「ヒロシマの記憶を伝えること」
日時:7月21日(日)13:00〜15:00内容:渡邉英徳(東京大学大学院情報学環教授)とアーサー・ビナード氏(詩人)の対談,庭田杏珠さん(広島女学院高等学校3年生)のプレゼンテーションなど

モノクロ写真のカラー化技術を用いたメディアと読者の対話を促すコンテンツ制作の研究

36歳,M2の與那覇里子です.  社会人学生として学んだ2年間の集大成を一部ですが,ご紹介します.
 タイトルは,「モノクロ写真のカラー化技術を用いたメディアと読者の対話を促すコンテンツ制作の研究」です.

なぜ,この研究をすることになったのか.
 ニュースの流通網は,新聞の戸別配達が大きな役割を担っている一方で,ネットの登場は,ニュース配信の仕組みを大きく変えました.  それぞれの持つメディアで情報を発信していたマスメディアは,Yahoo!やLINEに配信をはじめ,ユーザーがツイッターやフェイスブックなどのSNS,ブログなどにアップし,拡散されるようになりました.  地方紙で記者として携わる筆者としては,地方の情報を全国に直接届けられるようになり,チャンスが増えたと思う一方で,地域特有の文脈や情報が含まれているとなかなか読んでもらえないというジレンマを感じていました.  例えば,沖縄には,あの世の正月「グソーの正月」がありますが,見出しで取ったとしてもほとんど読まれません.  また,記事への書き込みは,ディスコミュニケーションが多くあるのが現状です.
 そこで,幅広い読者に沖縄のニュースへの理解を促すことを研究の目的にしました.
 そのために,次の3つのアプローチを取ります. 1)沖縄のニュースに興味・関心を持ってもらうコンテンツを制作 2)地元特有の文脈への理解促進 3)メディアと読者の前向きな対話を生み出す


どんな方法で目的を達成する?
 興味関心を引くために,飯塚らの開発したモノクロ写真をカラー化したAI技術を活用することにしました.

x  マスメディアは,読者に興味を持ってもらうため,イマーシブ型のリッチコンテンツを制作していますが,CG,凝ったUI,インフォグラフィックなどが盛り込まれ,記者がすぐに作れるものではありません.  飯塚らの技術であれば,1クリックで色をつけることができます.  エンジニアでない記者も扱うことが可能です.
 ただし,課題もあります.  AIは230万枚の写真から,着色について学んでいますが,正しい色ではないため,人の手による補正が必要です.  そのため,私の記者という職能を生かし,取材によって色を補う手法をとります.
コンテンツ制作
1)戦前の沖縄のモノクロ写真を活用
 写真については,朝日新聞が1935年に沖縄で撮影したモノクロ写真を使います.写真には,生き生きとした表情…

シリアスゲームを通したデジタル・アースアーカイブ作成による児童の地域理解促進

ご無沙汰しておりました。
首都大学東京大学院ネットワークデザインスタジオ修士2年 山浦徹也です。
この投稿では、自分の修士研究についてご報告します。

自分は児童の地域理解を促進するためにシリアスゲームを通してデジタルアース・アーカイブを作成する学習プログラムを開発しました。
 2017年からネットワークデザインスタジオおよび東京大学渡邉研究室では、山梨県南アルプス市と共同研究を進め、市民に向けて、市内の歴史・伝統文化をまとめたデジタルアース・アーカイブを開発・活用方法を検討してまいりました。
この共同研究を進める中で、児童を対象にしたデジタルアース・アーカイブの活用について検討し、総合的な学習の時間を用いて活用を進めることになりました。
そこで、自分は児童の学習意欲やモチベーションを高め、より深い学びを実現するためにシリアスゲームを用いてデジタルアース・アーカイブを作成するプログラムを開発することにします。
シリアスゲームとは、エンターテインメント性のみに特化せず「社会問題の解決」を目的に開発されるゲームのことです。近年では、地域社会を題材として現実世界を取り扱ったシリアスゲームが開発されており、モチベーションの喚起・継続、題材の地域に特化した学習体験を実現するといったメリットがあります。また、デジタルアース・アーカイブには、様々な情報をデジタル空間上にマッシュアップして表示することで、多角的で直感的な学習を実現し、記憶定着に効果的です。
シリアスゲームの先行事例、デジタルアース・アーカイブのもたらす学習効果について調べ、以下のような指針に基づいてゲームを開発して行くことにします。

主体的な学習態度と興味関心の創発挑戦と達成感を伴う経験の積み重ね時空間情報と紐づけて直感的な理解と記憶定着を促進
 今回は、南アルプス市立櫛形西小学校の6年生20人を対象にゲームを行います。 この指針と対象地域である南アルプス市や児童の特徴、カリキュラムを踏まえてゲームを開発します。企画・実践にあたっては文化財課の保坂太一さんと6学年担当教諭の倉崎正行先生に協力していただきました。
6年生の町歩きのカリキュラムとして設定されていた事前学習、現地学習、事後学習の全3回の授業時間にてゲームを実践し、デジタルアース・アーカイブを作成しました。  まず、事前学習では地域の文化・歴史を題材としたク…

高校生と大学院生のコラボレーションにおける共創型デザインの有効性 −平和学習教材の制作とワークショップの実践−

こんにちは.修士2年の秦です.
2年ぶりの登場です.今回の投稿では修士研究について紹介します.


2年前の週報で,ヒロシマ・アーカイブARアプリとの併用を想定した平和学習ワークブックづくりについて紹介しています.この投稿のあと,大学院に進学した2年間で,引き続きワークブックづくりに取り組みました.



広島女学院高等学校署名実行委員会の生徒有志と共同制作として動いている「ヒロシマ・アーカイブ」制作プロジェクトの一環として,この平和学習教材づくりはスタートしています.
もともと高校生のみで制作していたワークブックですが,技術的な面や時間の制約などの課題から,高校生の思ったとおりに制作することができず,2016年秋から私を中心とした研究室メンバーで制作のサポートを行なっています.

私の学部4年次で制作した教材をパワーアップさせ,教材の想定ユーザである修学旅行生にとって親しみやすい平和学習教材にし,制作を進める中で広島女学院高校の生徒たちにも新しい学び・発見があるように,2017年秋ごろからは「共創型デザイン」という手法を用いて制作を行ないました.

この共創型デザインは,制作物のエンドユーザや課題の当事者がデザインの制作過程に積極的に参加する手法で,制作への参加者とデザイナーが互いを尊重しながら制作するなどの特徴があることから,制作ワークショップで教材づくりをしつつ,高校生が私たち大学院生からデザイン技術を学ぶことができるのではないかと考えて採用しました.

教材の制作自体は2年間で継続的に行ない,その中で,高校生と大学院生が顔を合わせて教材づくりに取り組むワークショップを3回実施しました.

①2017年11月,②2018年3月,③2018年6月の合計3回ワークショップを実施し,それぞれのワークショップで活発な議論ができるように,①シックス・ハット法,②希望点列挙法とNM法,③デザイン思考を活用しました.
毎回のワークショップで,高校生と大学院生の人数構成や活用したアイデア発想法について課題が出てくるため,その課題を克服できるよう,人数調整やプログラムの企画,活用するアイデア発想法の採用を行ないました.



この3回のワークショップを実施した結果,高校生から「考えたことをうまく発表できないときにサポートしてもらえてうれしかった」「ワークショップやフィールドワークを通して,修学旅行生が考えていることを想…

「問いかけ・しかけ」と「防災マップづくり」を取り入れた防災学習プログラムによる主体性向上

こんにちは!修士2年の福井裕晋です。

今回は、私の修士研究について紹介させていただけたらと思います。


私の修士研究は、防災学習時の学習者の主体性を向上させることを目的に、防災学習プログラムの開発を行いました。


近年、日本には私たちの想定を超える災害が増えてきています。そこでは、災害の状況に応じて、適切な判断・行動をしていくことが求められます。
しかし、学校教育の現場については、地震や火災などを想定した避難訓練は定期的に行われていますが、現状の避難訓練では災害時に求められる適切な判断・行動を育成することは難しいと私は考えます。

そこで、私は主体性を向上させることを目的とした関連研究を踏まえながら、「問いかけ・しかけ」と「防災マップづくり」を取り入れた防災学習プログラムの開発を行いました。

ここで、今回用いた手法について少し触れたいと思います。

「問いかけ」というのは、金井らの研究によると主体性を向上させる防災教育の実現のために,心の葛藤が生じる“心ゆさぶる発問”を行うことが重要だと述べています。

「しかけ」というのは、金井らの研究によると地域や家庭と協力・連携した授業づくりが求められると述べています。

「防災マップづくり」は、主に学校教育の現場や地域住民を対象に地域の防災設備などをまとめたマップを作りが行われています。この取り組みにより実際に地域を歩くことで、地域の課題を知る機会となり、それをマップにまとめていく過程のなかで、自分の考えを育むことができるのではないかと私は考えます。


そこで本研究では、「問いかけ」として生徒たちが心ゆさぶる問いかけを行い、「しかけ」として消防署員と協力・連携した授業づくりを行いました。また、プログラムのなかに「防災マップづくり」を取り入れることで、学習者の主体性を向上を行います。


今回、実践を行なった学校は兵庫県神戸市立伊川谷中学校の1年生211人です。伊川谷中学校では、過去2年当時中学校教諭であった井上先生(現 愛媛大学講師)と一緒に防災学習の開発・実践を行なってきました。今年は、中学校側から井上先生に防災学習の依頼があり、そこに私がサポートスタッフとして協力する形で、一緒に授業の開発・実践を行いました。


授業は、全8時間の授業を2ヵ月かけて行いました。実践にあたっては、ワークシートの製作をはじめ日程の調整など大変なところもありましたが、プロ…

「記憶の解凍」 ARアプリ公開

東京大学大学院情報学環 渡邉英徳研究室は、AI技術を活用してカラー化した“戦前の広島”の白黒写真を、地図・AR(拡張現実)ビューに表示する「記憶の解凍」ARアプリを公開しました。

私たちのチームはこれまでに、数百枚の白黒写真をAI技術でカラー化し、さらに、被爆者との対話を重ねて色を補正することによって、過去の記憶を辿る旅を続けてきました。最新技術と、被爆者・若者たちのコミュニケーションが組み合わさることで、これまで凍りついていた記憶が「解凍」され、よみがえります。

カラー化された過去の写真は、私たちの心のなかに、これまでにない感情を喚起します。その写真が、アプリを通して、現在の広島の風景に重ね合わされるとき、私たちの眼の前には、切り撮られた過去の日々につながる、時の窓が開きます。


本アプリは、渡邉英徳教授とともに活動を進めてきた、広島市在住の庭田杏珠さんとのコラボレーションによって制作されたものです。

アプリダウンロード(無料):
App Store / Google Playにて、キーワード「記憶の解凍」で検索ウェブサイトからダウンロード制作チーム:
原案・カラー化・アプリ作成:渡邉英徳×庭田杏珠考証協力:濱井德三、ヒロシマ・フィールドワーク実行委員会写真提供:濱井德三、今中圭介、緒方昭三、片山曻、諏訪了我(浄寶寺)、高橋久、多田良子、本田美和子、広島県立文書館、広島市公文書館、アメリカ公文書館(撮影:尾木正己)タイトルロゴデザイン:秦那実カラー化技術提供:早稲田大学 石川博研究室平和記念公園(爆心地)街並み復元図提供:中国新聞社